俺様は絶対に幸せになるのだ!

@akayasi

第1話

西暦二二五八年、この時代には仮想世界で現実にいるかのように遊べるフルダイブのVRゲームが存在する時代。


とあるゲームについて男は語る。ゲームタイトルは『WHITE(ホワイト)』というシンプル過ぎるタイトルのゲーム。


地球とは異なる世界『アルブランド』と呼ばれる世界が舞台。


主人公はアルブランドの『ルークス』という国の貴族の長男として生まれる。


名前はレイ・ヴァンクリーフ。


レイ・ヴァンクリーフは15歳になり、貴族であれば誰であろうと『絶対』に入学しなければならない学園へ通う。ちなみに入学試験は無い。来たくなければ入学しなくても構わない。ただし、入学しなければ貴族ではないと判断されるだけだ。


何故義務なのか?それは貴族には特別な力を持っているからだ。


その特別な力とは『ARMOR(アーマー)』と呼ばれる『特殊な甲冑を召喚して纏う力』を持つ。


しかし、貴族全員がARMORを召喚できるわけではない。


ARMORには『神造』『人造』の二種類存在する。


神造は神々が造ったされる甲冑であり、人造は神造を模して作られた人の手によって生まれた甲冑である。人造ならば貴族ならば誰でも扱える。


神造と人造では天と地ほどの性能差があり、過去には神造が使えるというだけで階級が二階級上げた家もあるという。


ゲームの神造は異性の好感度で性能がはね上がる。甲冑が召喚者とともに成長し、新武装を発現したり、武器使用時のエネルギー消費を軽減、エネルギー消費時に毎自動回復量増加など様々な恩恵がある。


ゲームの人造は特殊な効果は一切ない。甲冑は成長しない。弾切れも回復しない。エネルギーの残量によって性能が落ちていく。ただし生身で戦うよりは断然強い。


主人公のレイは世界唯一の純白の神造甲冑であり、三百年前に世界を救った英雄が纏っていたとされる伝説の甲冑。甲冑スタイルは超高機動紙装甲である。


・・・まあ、薄々皆さんも気付いているだろうが、このゲームはエロゲだ。複数の可愛い女の子とイチャイチャ、ラブラブしながら強くなるというエロゲだ。


何故エロゲの紹介を長々と説明しているかだって?


・・・転生したからだよ!


主人公じゃなく悪役踏み台貴族にな!


ヤミー・ダークライ!それが俺の今世の名前だよ!


このヤミーというキャラはレイの踏み台である。


主人公とメインヒロインとの出会いイベントに使われ、途中まではレイの部下にされ、レイを裏切り一度は倒すがパワーアップした甲冑を纏ったレイに倒され死亡するキャラ。


だがこのヤミーは実はWHITEの作中最強であると男は思っている。主人公パワーアップ回のイベントボスになってしまったが、はっきり言ってラスボスよりヤバいと思った。ラスボスは一対一で倒したけどヤミーは主人公+神造甲冑組の複数のヒロインと学園教員生徒総動員だったからね。

しかもこの作品、飛行出来るのは主人公とラスボスとヤミーの三人だけだからね!主人公とラスボスの神造甲冑は『真なる覚醒』で最終進化したけどアレは時間制限付きのパワーアップだからね。ゲーム設定では5~10分くらいの。更に形はあくまで甲冑止まり。ヤミーは『暴走状態にして無理矢理覚醒』させた神造甲冑は甲冑ではなくなり、『浮かぶ要塞』となり、ルークスの周辺国を二つも滅ぼした実績があるのですよ!


だから後悔なんてしてないんだからね(泣)!


ヤミーの甲冑は漆黒の神造型。

暴走覚醒前は『不動要塞』の二つ名で呼ばれていた。暴走覚醒後に浮上能力を得る。

超鈍足!重すぎてほぼその場から動けない!超頑丈!だから動かなくても大丈夫!

超火力!全方位焼け野原にできるぞ!

中~超遠距離が得意。

近接が苦手というより接近できる者が皆無だった為に対策を考慮していなかった。


主人公とメインヒロインとの出会いイベントで主人公と決闘となるが、主人公の高機動に翻弄され、自分で撃った弾に自分で当たる自爆という情けない形で敗北する。


メインヒロインの一人がヤミーの婚約者であり、このイベント(決闘)を切っ掛けにヤミーとの婚約が解消される。主人公との交流が始まる。


このゲームにハーレムエンドはない。


だが、どの女の子のルートでも主人公のパワーアップ回は共通ルートでヤミーは主人公の踏み台として死ぬ運命である。


ふっ、だが俺は主人公の踏み台になる気は一切ない。


死ぬ気もない。


生き残る・・・どんな手を使ってでもな!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺様は絶対に幸せになるのだ! @akayasi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る