第82話 最高の門出


 現在、新たな移動兵機が来るまで、俺は軍の移動兵機ノマドロボット内の部屋で軟禁されている。


 当たり前だが、パーティー内の雰囲気は最悪だ。


 これだけモンスターを倒したのだから報酬はかなりの額になっただろう。なのに、ほとんどが賠償金で支払うとしてしまった。さらに、この態度の悪いマフィア2人が仲間に加わり、ついてくるというおまけ付きだ。


 一度みんなに囲まれて、会議をした。もちろん俺は床に土下座だった。ヘルドは裸で土下座しろとまで言ったが流石にそれは止めてくれた。罵詈雑言を受けてパーティー解散の話まで出た。テワオルデも呆れながらではあるが、みんなを引き留めてくれた。マリも案外気にしてないようだった。「そんな根性のあるやつだったんだな」と皮肉かよく分からないことを言った。「そんな、ひとっつもありません……誤解なんです」と頭を下げることしかできなかった。


 とにかく、全員の心はバラバラになり、新しい移動兵機を得て、最高の門出を全て台無しにしてしまった。


 さらに3日が経ち。光の遺跡クリダモスが目的としていた場所、クラスAの生産施設ダンジョンに着いた。

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