第46話 ハンターキラー
どこかで不穏な会話があった。
「おい、あいつら狙えるんじゃないか」
「ジジィは装備が良さそうだな」
「子供とジジィとひ弱な男だ」
「連携をとるぞ」
「「ウィース」」
――――――
人気のない薄暗い路地を歩いていた時だった。
前からグラマーで長い金髪が美しい女性と、ストレートの黒髪をした清楚な顔立ちの美女2人が歩いてくる。背が高いのは靴の影響か、服装から流行にも敏感だと思った。俺はその2人の美貌に釘付けとなる。この街にはこんなに美しい人がいるんだな。
『最低ですね、先ほどからグラマーな人の胸ばかりに視線がいってますよ』とミラクルが指摘。
うるせい! 俺の視線と考えを盗み見するな! と脳波を共有しているミラクルに言っても仕方がない。
「来ますね」とテワオルデさんがつぶやく。前から向かってくる美女に集中していた俺はハッとするが何のことかわからない。
テワオルデさんが俺の後方に電磁バリアを張る。そこに魔弾や砲弾が飛んでくる。衝撃音が凄まじく、殺す気できているとすぐに分かる。俺もマシンガンを装備するが後ろを見ても誰もいない。
緊迫する状況。ミラクル気づかなかったのか! と心の中で怒鳴る。
『マスターが変な妄想してるから集中できなかったんです!』と言い訳。
こちらの指示なしで脳波全てを共有するのは非常に不愉快で非効率的だ。前々から思っていたが普通のBrynkに変えたい。
すると今度は前方で、テワオルデさんが攻撃してきた2つの剣を弾き返す。その剣を振るっているのは先ほどの美女2人であった。彼女らは後ろに飛び一旦離れた。
淡麗な顔の眉間にシワを寄せ「チッ、ジジィ強ぇな」と似つかわしくない口調で舌打ちをする。
この2人をマシンガンで撃っていいか一瞬悩む。
『何躊躇してるんですか! 早く攻撃をしてください』とミラクル。視界にBrynkの予測軌道が表示される。
そこを目掛けて魔弾を連射”ダダダダダダッ”。
俊敏な動きで魔弾を避ける。予測軌道をかわすとは、かなりの熟練だ。
テワオルデさんの腕から血が流れていた。あの一瞬の連携攻撃の中、俺を守りながら防いでくれたとはいえ、彼でも怪我をするほどの相手だ。
美女たちは路地の高い場所でこちらを警戒している。
「後ろも警戒してください。ハンターキラーです。まさか街の中に出るとは思いませんでした」とテワオルデさん。
マリを見る。ハンターキラーということは、こいつの仲間だろうか。マリは攻撃に動じる様子もなくあくびをしている。
マリの罠に誘い込まれた? だが、なぜ?
とその時、ピンクの毛の
ピンクの
マリも狙われている? 関与していないのか? 一体これはどういう状況だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます