Episode 044 仕掛けられた花火のように?
――ブランド物のバッグが開けられる。
小母さんから盗んだブランド物のバッグだ。それも私の見ている前、目の当たりで。
「ホントに犯罪者ね、あなたたち」と、私は言う……
「でも、知ったところで何もできやしないってことだ。これから起きることで、お前は砕けるんだ。精神もだけど、女としても。泣いても喚いても、誰も助けになんか来ない」
不気味に笑う男たち。それが余計に恐怖を煽る……
破られる服。髪も掴まれ、解けるポニーテール……
「お前の運のなさを呪うんだな」と、四人の内のリーダーらしき人が言う。実は引っ手繰りは、仕掛けられた罠だったの。私をここに誘導するための。じゃあ、この男たちの目的は何? それは、私のカメラにあったそうなの。ポーチに入れていた一眼レフのカメラのメモリーに。いつの日か撮った松任駅の風景に、取引現場が映っていたから……
だから、口止めに私を。
女として一番ショッキングな行為を彼らはしようとしている。それが証拠に「ガキっぽく見えるけど、意外に……」と、その言葉を聞いて、私は自らの力を発動させた。
千切れる……縄。
私の力をもってすれば。青褪める男たち。ざわめきが起こる、この薄暗い廃屋。
以前は簡単にやられた三人組はパワーアップした感があり、意外に梃子摺った。パワーアップなだけにパワーでは敵わない。男の力では、女では敵わないのも事実なの。
その時に浮かんだことは、
春日さんが操ったキャラクターのことを。ヨガ使いのことを。力は……そんなにはいらずに、襲い掛かってきた相手の力を利用し、勝利を得る法則のようなもの。まさにヨガ使いから学んだ技なの。私は今、その技を吸収し、襲い掛かる四人の男たちと戦っていた。
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