gegenüber

余白丸

紫色した鏡の中で

暗闇の住人が集う


秋の景色に触れた

左手の人差し指


向かいの君は呟く

僕には聴こえない


前髪で見えない表情

向かいの君が呟く

僕には聴こえない


冷たい頬に触れた

僕の左手の人差し指

向かいの君が呟く

僕には聴こえない


紫の瞳で謳うように

死んでいた幻想

枯れた鏡越しの秋が

眠りついた魔法


僕の声は聴こえない


向かいの君はもういない





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gegenüber 余白丸 @nac_legar

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