第2話 「ゲロム学園の学食」

 ここが食堂か、相変わらず人の量がすげえな。

 いったいどんなメニューがあるんだろう。とは言ったものの次は運動だからあまり量の多くないものを食べるとしよう。

「タツヒロは何を食べるか決めたのかい?僕はパンとスープにしようかと思ってるんだが、君も一緒のものを選ぶかい?」


 その組み合わせいいな、俺もそれにしよう。どれにしようか悩んでたからちょうどいいな。これしかもお金かからないじゃん!

「本当だね、じゃ僕は注文しておくから君は僕たちの座る場所を確保してきてほしい。」


 さて二人が座れる場所はっと、あったあった。ここならちょうどいいな、他の人に取られる前に座らなければ。

 けどこの食堂全員が座れる場所があるみたいだぞ。

「タツヒロよ、いい席を取ったみたいだな。ここだとあまり目立たないからいいんだよね。これは君の分だ、早く食べないと冷めてしまう。」


 そうだなさっさと食べてしまおう。ちょうどいい機会だからハルトに色々と質問してみるか。

「ん?何やら僕に聞きたいことがあるようだね。いいよ答えれる限り答えよう。」


 まずはありきたりな質問からいこう。お前はどこの出身なんだ?

「ハハッ、ありきたりな質問だね。あまり大きな声で言えないしたとえ聞いたとしても大きな声を出さないでくれ。僕はアスパル大陸よりも遠い大陸から来たんだ。」

 ここの大陸の人じゃないんだな、俺はこの程度では驚きはしない。


 じゃあその遠い大陸とやらとこの大陸はどう違うんだ?

「僕が来たところはこのアスパル大陸よりも技術がかなり進歩してるところさ、だが僕はそういうところはあまり好きじゃないからここに来たってことさ。」

 まあいろんな事情があるんだな。二つの質問だけなのにもう食べ終わったな。


 さて食べ終わったしそろそろ外に出よう、もうすぐ始まるはずだ。

 食堂からそこまで離れていない練習場だ。食堂の近くにこんなものあって大丈夫なのか?

「君たちが最後だぞ、一体どこで何をしていたんだ?ま、時間内に来てるから許すがな。」


 また俺たちが最後か、時間内に間に合えばなんてことないだろう。

「よし、そろったということで今からやることを説明する。今から二人組を作ってもらう、話の続きはそれからだ。」

 二人組か、確かにあいつの言った通りだな。


「まあ俺たちはもう決まってるもんな。」

 そう俺たちはもうすでに決めてあるのだ、だから心配なかったのだよ。

「そうだね、僕と君とだ。」

 こういうことは俺たちが一番早い気がするな。なにしろハルトから今回のやることは聞いたからな。


 しかしその情報は一体どこから手に入れてるんだろうか。

「みんなペアが決まったようだな、それでは今から説明に入る。今からやることは簡単だ。ただ戦うだけだが注意事項がある、相手を決して殺してはいけないということだ。」

 なるほど、相手を殺さなかったらいいのか。ただ力加減のわからん奴もいそうだな、まその時はその時だ。


「殺したものは即退学だ、それでは試合開始!」

 説明終わってからの試合開始が早すぎだろ。まあいいや、とりあえず相手の様子をうかがわなければな。


「僕たちはここで一旦相手の動きを予測するという事かい?それはいい考えだ、しかしここの奴らは脳筋しかいないな。」

 よく見たらほとんどの人たちが突っ込んでいっている。

「まあ作戦の一つだからなしではないがリスクが大きすぎるな。」


「その通りだよタツヒロ、君はどうやら頭がいいようだ。」

 いや俺は別にそこまで頭がいいわけではないがこれに関しては考えなくともリスクが大きいということは自然とわかってしまう。

 みんな武器を持ってるのに俺とこいつは何も持ってないからな、どうしようもないな。


「おや、君は何も持ってないが大丈夫なのかい?」

 あくまで練習だ、本気でやりに来るやつはいないだろと思ってる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る