連続殺人
第5話 闇医者の密談
アラバスタの肌を持つ、濡羽。しかし目の前に座る女性━━
「ちょっと気になる話があるのでね。濡羽に教えてあげようと思ってきたんだよ」
ゆったりとした、余裕を含む独特な話し方をする。
「何でしょう? もしかして抗争かな」
ある意味ずれていて、ある意味で的を射た発言にやはり彼女には教えるべきだと透螺の勘が言った。
「抗争、というよりロンペルと揉めそうになっていてね。まぁ、何かあったら頼むよ。闇医者様」
悪戯好きの少女がするように、唇に人差し指を当てて微笑む。はい、と言うとすぐさま電話をかけた。
「茉仁荼、抗争するって本当?」
「え、
「本気になれば……っていうか元からロンペルの機密情報くらいなら知ってるけど」
「くらい……? 普通にヤバいと思いますけど」
ドン引きしている。からかいがいのある後輩(30歳)だ。
「まぁ、明日カフェでも行こうよ」
「わかりましたよ。では明日」
今回の成果━━抗争両サイドの主からの情報収集完遂および約束取り付け。
「久しぶり、こんなところでいいの?」
少女は店内を見回した。至ってありふれた喫茶店だったからだ。
「 いいですよ。雰囲気があって」
少女と10は違うであろう男が言う。
「
「いや、俺はそんなつもりないんですけどね。 幹部達がそうでもなくて。
「いいんじゃない?」
しばらくと悩んでから、電話を掛け始めた。
「もしもし、
「じゃあ行かせてもらおうか。十分待ってくれるかな」
「わかりました、お待ちしております」
ふふ、と笑んで彼女はスマホを置く。その顔には私って凄い、という自画自賛の色が見える。
「優しいお姐さまに感謝してよね」
「はいはい、ありがとうございます」
ぷくーっと頬を膨らませ、愚痴る。
「雑すぎるでしょ。ここで頼んだもの、全部奢って♡」
甘えるように少女が言う。
「ほんとに奢らせてくれることないでしょ」
「まぁねー、まだ私はそこまで堕ちてないもの」
頼んだパンケーキを頬張りつつ、アフタヌーンティーセットも頼んで幸せそうにしている。
「遅くなってすまないね」
コシュマールの現
「さぁ、密談と洒落込もうじゃないか」
にこ、と笑う茉仁荼を手で制し、濡羽が言った。
「その前にもう一人。
「気付いてたのね、濡羽」
「魅空、いたの?」
「いたら悪い?」
旧友である茉仁荼の言葉に言い返す。
「お体は大丈夫なのですか?」
「んー、大丈夫よ。気にしないで」
「魅空さま、それで本日はどのようなご用向きで?」
透螺に心配をさせてまで来たいのだからそれほどのことなのだろう、と思った少女は尋ねた。
「いや? 裏社会の歴史に残る密談には先代として参加したいじゃない?」
密やかに、何かを味わうようにして。彼女はそっと笑う。
現在公開可能なキャラクター情報
現・ロンペル頭領。濡羽の後輩的存在だが30である。
組織解説
ロンペル━━ギャングの集まりが大規模化した、コシュマールに次ぐ勢力。スペイン語で破壊を意味する。現頭領は
コシュマール━━マフィアとして勢力拡大を続けてきた組織。裏社会最大勢力であり、現
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