女騎士とその主人


第15回のお題は「酔う」。03/02(土) 21~23時


 護衛騎士と私は、小さい頃からずっと一緒だった。

 彼女は私を、教え導くべき存在と思って接していた。

 だが私は、彼女を異性として見ていた。

 その気持ちを伝えたが、彼女には全く本気にされなかった。

 そうして、長い戦争が終わって帰ってきた日のこと。

 彼女は、二人で飲もうと言ってきた。

 だんだんと酔いもまわり、話もはずんできた頃。

「あなたは、まだ護衛騎士を続けるつもりなのか?」

 戦争もひと段落つき、この先をどう考えているのか急に聞きたくなった。

「君みたいな夫がいたら、ずっと穏やかに暮らせるんだがなぁ……」

 虚ろな表情でそう言うと、彼女は寝息をたて始めた。

「え……?」

 私は、呆然と彼女の顔を見つめているしかできなかった。


(299文字)

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