ネイル

勝利だギューちゃん

第1話

私はネイル

女の子

生まれた時からこう呼ばれていた。


意味は知らない。

ただ、カタツムリを英語でスネイルというらしいが、それとは関係ないみたい。

よかった。


ていったら、カタツムリに失礼かな。


見た目は人間の女の子。

JKっていうの?

そんか感じ。


実年齢は、わからない。

ただ生まれた時からこの姿だった。


「ネイル。仕事よ」

「はい」


上官に呼ばれた。

お仕事しなくちゃ。


「今日のターゲットは、この人ね」

「この子ですか?」

「ええ。お願いね」

「はい」


仕事は非情。

でも、そうでないと勤まらない。


しかし、このポニーテールっていうのは頭が重いな。

切ろうかな?


「ダメよ。」

「どうして?」

「あなたのターゲットはポニーテール好きだから」


何で私が合わせないといけないの?

でも、楽だからいいかな。


さてと・・・

あの子ね、行きますか。


今回のターゲットとなる男の子の前に立つ。

逆ナンじゃないのよ、決して。


「ねえ」

男の子に声をかける。

「あのう、どちらさまですか?」

「私は、ネイル。君は、・・・くんね」

「そうですが、何か?」


名詞を差し出す。

いつもながら、心が痛む瞬間。


『ナビゲーター:ネイル』

「ナビゲーターって?何のですか?」

案の定訊かれた、


当たり前か・・・


「あの世」

「あの世?」

「・・・くん、残念だけど、君の寿命はあと3年なの」

「そうですか・・・わかりました」


そう、私はあの世への案内人。

ターゲットとなる人間には、その数年前に宣告する。

その数年は、人により違う。


どうしてかというと、悔いのなく余生を送ってもらうため。

私はその手助けをする。


彼の場合は、3年もあれば十分なのだ。


「ねえ、出来る限りの協力はするよ」

「なら・・・」


彼も覚悟は出来ていたみたいだ。


「一緒に旅をしてくれ」

「了解」

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ネイル 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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