学生期 2

…それから4時間ぐらいすると山の中にある広くて大きな学校へと到着した。



「うへぇ~…まさに典型的なお嬢様学校だな。ん?お坊ちゃん学園か?」



俺が馬車から降りて周りを見渡しながら呟いて正門の中に入ると…



「兄さん!」


「お兄様!」



弟のエーデルと妹のリーゼが出迎えてくれる。



「おー、エーデル、久しぶりだな。また大きくなったんじゃないか?」


「いや、二週間ぐらいじゃ2mmぐらいしか変わらないよ」


「そうか?リーゼは見る度に可愛くなるな」


「一週間前に会ったばかりじゃないですか、もう」



俺が挨拶すると弟は笑いながら返し、妹は呆れたように返す。



「あっと、そろそろ中等部の入学式が始まる時間だ…じゃあまた後で」


「おう」



弟は時計を見て妹と一緒に歩いて行くので俺もパンフレットを見ながら教室へと向かう事に。






ーーーーー






「…えー、みなさまご入学おめでとうございます。これからは…」



教室に入るとすぐさま体育館みたいな建物へと移動するよう言われたので、教室の中に居たみんなについていくと…



なんか知らんが式は既に始まっていて、俺らは端っこの方に案内された。



…それから椅子に座って待つ事一時間ほどで式が終了する。



「では一般クラスの生徒はこちらへ」



教師っぽい人が手を上げながら指示して案内するように歩いて行くのでとりあえずついて行くと、さっきの教室へと戻って来た。



「では好きな所に座って下さい」



みんなが困ったように突っ立ってると男の人がそう告げるのでみんなは近くの席へと座る。



「えー、私がこのクラスの担任を務めます『シャンゼッタ・ロドス』です。気軽に『シャン先生』または『ロドス先生』と呼んで下さい」



男の人は自己紹介を始めると黒板にチョークで自分の名前を書き出した。



「では右前の人から順番に自己紹介をお願いします」


「あ、はい」



男の人が指をさして指示すると男子生徒が立ち上がって自己紹介を始め…



それから後ろの生徒達が順番に自己紹介をしていく。



「では次」


「『リデック・ゼルハイト』趣味は暇つぶしが出来れば何でも良いので特にありません。が、しいて言うなら鍛錬や修行です。よろしくお願いします」


「ゼルハイト…!」「ゼルハイト…?」


「…もしかして…失礼ですが、あの『エーデル・ゼルハイト』のお兄さんですか?」


「あ、はい」



俺が自己紹介すると周りがざわつき始めて男の人が確認してくる。



「エーデル・ゼルハイトの兄って事は…あのゼルハイト家の長男!?」


「なぜ子爵家の長男がこんな一般クラスに?」


「あのエーデル・ゼルハイトの兄なら特別クラスでもおかしくないんじゃ…」


「みなさん静かに。自己紹介を続けます。次の方どうぞ」



周りがザワザワと騒がしくなると男の人が手を叩いて雰囲気を変え、俺の隣の生徒に自己紹介を促した。



「…な、なあ…なんでゼルハイト家の長男がこんな庶民ばかりのクラスに居るんだ?貴族なんだから本来はアッチ側だろ?」



自己紹介が進んでいく中、俺の隣の男子生徒が好奇心かなんかで隣の建物を指差しながら聞いてくる。



「さあ?事前に学校行きたくないってゴネたからかな?」


「ははは!お前面白い奴だな!」


「そこ、私語はもっとお静かに。他人の迷惑にならないように喋りなさい」


「す、すみません…」



俺がギャグでも言うようにボケながら返すと男子生徒にはウケたらしく男の人に叱られて謝った。

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