とある男が夏風邪を患った。暑い夏に風邪をひくという不思議から始まる、あれよあれよの哲学論争。暑い中風邪薬を求めた男は、様々な疑問や葛藤の中で世界の真理に一歩近付く。しかしその真理さえも、本当の真理と言えるのか…現代マスメディアの在り方にも一石を投じかねない壮大な結末は、彼の夏風邪の経過に委ねられた!ともすれば夏の怪談話のような、それでいてどこかくだらない雰囲気は、作者様の感性の豊かさと、物事を少し斜めから捉える個性が成せる業と言えます。