マンハッタン ダイアリー

@kenkresan

第1話 マンハッタンでの出会い

ジャック「行こうか、もうじき夜がふけるころだ」


そう言うとマンハッタンの夜は夕陽が沈み

暗闇が近づいてきた。


アシュリー「そうねジャック、もう行かなくちゃね」


アシュリーはカフェで飲みかけのコーヒーをテイクアウトして

座っていたオープン席から立ち上がった。

マンハッタンの夜は早い。

それと同時に1日の終わりを感じるため

街のみんなは少し憂鬱になる。

しかも今日は日曜日というのもあって

より憂鬱感が街に溢れている気もする。


ジャック「さて、明日も早いことだ。また気合いを入れて頑張らないとな!」


アシュリーはカフェでの優雅なひとときもつかの間、少し寂しい気持ちになった。


ジャック「おい、アシュリーどうしたんだよ。そんな浮かない顔をして。大丈夫だよ!またいつもの日常が始まってまた週末には優雅なひとときを送れる。ただそれだけのことさ。」


ジャックはアシュリーを励ました。


アシュリー「そうね!ありがとう。また来週も頑張りましょう。ジャック、今日は楽しかったわ。また来週にこのカフェで会いましょう。またね!」


そう言ってアシュリーは地下鉄入口へと向かい振り帰って手を振って、中へと姿を消していった。


ジャック「おれも活動開始だな。さてとどこに行こうか。」


ぐうぅぅ


ジャック「おっと、そういえばアシュリーとの会話に集中していて全然食べれてなかったんだったな。そういえば駅の方にオープンしたばかりのホットサンドのお店があったな。行ってみるか。」


カランカラン


店主「いらっしゃい、おージャックじゃないか!」


ジャック「もしかしてフィンか?見違えたな!まさかここで働いているとは!この街に

来ていたんだな!」


店主「そうだぜ!地元でしばらく親父の元で修行していたんだが、つい半年前に街でやってみろと言われてな!そして色々募集探していたらこの店がオープンすると聞いて、せっかくなら同じ新しい環境でと思ってな」


ジャック「それはすごいな!ついに親父さんにも認められたんだな!」


店主「そういえばジャックはこの街に来てどのくらいになるんだ?

例のあの噂のことは知ってるか?ひそかに話題になってるんだよな」


ジャック「噂か?知らないな。あーでもまだみんなに顔を見せていない市長がとびきり美人な女性ってことは聞いているぞ。そのことかい?」


店主「そうそうそう。ってそうなのか!

それは知らないな〜。ぜひとも拝んでみたいものだ。

でもその噂のことではないんだな。」


ジャック「そうなのか?」


店主「ある洞窟についてなんだが、、ほら前にあっただろう。子供が2人見つかったって。街中をいくら探しても見つからなかった姉妹のことさ。」


ジャック「あぁ!あの姉妹のことか!たしか親が無くなって保護施設で過ごしていたが、ある日抜け出していなくなったんだよな。」


店主「そうだよ。保護施設も市長に報告を上げないといけないから血眼になって総動員で探しに行って街中に駆け回ってたよな。あれはすごかった。みんな気にせず大声で走り回っていてあれは愉快だったな。」


ジャック「そうだな。それをカフェの二階席から見下ろしてコーヒーを飲むのは最高なひとときだったよ。実に優雅な午後だったな。

わははは。」


ジャックと店主はしばらくその話で笑い合った。


カランカラン。


店主「はーい、いらっしゃーい。って!」


ジャック「わはは。ん?どうしたんだよ」


店主「ジャック、すごい美人なお客様が来たぞ。見てみろよ。」


ジャック「ん?どれどれ、、!?」


??「あら、何よ。人の顔をまじまじと見て失礼ね。ってあなたはジャックじゃない!」


店主「ジャック、お知り合いさんなのか?」


ジャック「お知り合いというか。この方は市長様だぞ。ほらさっき話しただろう。」


店主「え、この方が!まさかこんなにお綺麗な方だとわ。市長様!当店お好きなメニューおっしゃって頂いて。お代は結構ですので。あははは。」


ジャック「あぁ、だめだこりゃ。そういえば美人にはめっぽう弱いんだったなぁ。市長さん久しぶりだな。こういうお店にもいらっしゃることあるんだね。」


市長「あら。ありがとう店主さん。ジャック久しぶりね。そうよ。この街のことは何でも一通り確認するのが私の仕事であり趣味でもあるので当然よ。」

 

ジャック「それはご苦労なことだな。もう陽が沈んで暗くなって来たけど食事も兼ねてこの店に来たのかい?」


店主「市長さん、そういうことなら本日の朝に取れた新鮮なエビとアボガドのパスタなんてのはどうですかい?」



市長「ありがとう。では頂こうかしら。っと

言いたいことですけどテイクアウトで良いかしら。この後も確認する所があるのよ。」


店主「そうですか。それはそれは。ではお作りしますのでお席でお待ちください。ほらっジャック、市長様の話相手頼むぞ。おれも横で聞いているからよ。」


ジャック「へいへい。では市長様こっちの席に座ってよ。色んなメニューがあるんだぜこのお店は。」


市長「あらではお邪魔するわ。へぇオーガニックな色々な料理があるのね。店長さん。見た目に似合わずお洒落で繊細な料理をされますのね。」


店主「へっへっへっ。ありがとうございます。そうなんです。やはり女性客が入ってくれないとお店の雰囲気も品がなくなりますし、自分のやる気にも関わるもので。」


ジャック「なんだよそれ。不純な理由だな。」


店主「いやいや。やる気によってメニュー改善もするし研究もしるしで、料理の向上には本当に女性が鍵になっているんだなこれが。」


ジャック「またまた。上手いこと言って。市長様に気に入られようとしているだけだろう。」


店主「それはどうかなジャック。」


市長「そのなのね。素敵よ。店長さん。」


そう言って、料理が出来るまでお店や店主のことを色々と話したジャックであった。


ジャック「ところで市長さん。このお店には何を確認しにきたんだい?料理だけを見に来たりとか?」


市長「もちろん料理が一番の確認事項よ。色々な方にこの街で会食がありますから。」


ジャック「なるほど、色んな料理を確認してるんですね。そう言われるとよく見るとちょっとお肉付いてませんかい?」


市長「っ!まぁ失礼ね!何まじまじと見てるのよ!店主さん今のどう思いまして?」


店主「おい!ジャック!市長様に向かって失礼だぞ!罰として今日市長様が頼む食事はジャックが払うんだな!」


ジャック「おいおい何を言いんだすんだよ、ってそれはないぜ。今月少しきついし。それに市長様ならお得意の経費で落とせるんじゃないの?」


市長「経費は使わないわ。あなたの優しさを素直に受け取るわよ。」


ジャック「まじかよ。市長さんひどいな。で結局何しにきたんだよ?」


市長「実は最近街の中で不穏な気配があるの。私を市長の座からおろそうとする動きがあるそうで。。」


ジャック「なんだよそれ。市長さんは昔から代々血筋でやってきたのに、他人がやるというのかい?歴史あるこの街で何でそんな動きが、、?」


市長「そうなのよ。。それで私の命を狙う動きもあると聞いているの。。」


ジャック「なんだって!」


ーーーーーーーーーーーー

エピソード1 終了

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