5.セリョージャはひとり/アルカージー・ガイダール
注文した本が来たので引き続きガイダール。
どうも昭和30年~40年において日本では色々翻訳されたんですね。
一つの前にも書いた様に、ガイダールは40歳にならずに亡くなった作家なんですが、その割には、と。
で、この話。
入手したのは昭和40年発行の「少年少女学研文庫」読みやすいサイズがありがたや。
少年セリョージャ(セルゲイ)の目線の一人称もの。
父親が汚職で捕まってラーゲリに入れられたところに、継母が男と逃げて一人にされたセリョージャ。
しばらく継母の置いていった150ルーブリでやって行くんだけど、不良少年に誘われてソコリニキ公園で遊んだり、カメラを買わされて四苦八苦したり。
ただそのカメラで撮った写真が、最終的には彼を助けるんですがね。
お金が無くなってきた彼は継母の引き出しだのクロゼットを漁って屑屋に売り払ったりしていたところ、その引き出しの中からブローニング拳銃が出てきてびっくり。この時彼は手をつけなかった。
その後、継母の兄だという人が妙な老人と一緒にやってくる。
そこからセリョージャはこのおじだと名乗る男と、赤軍勲章をつけたヤコブ老人に列車に乗せられ連れ回される羽目に。
で、このおじと老人の行動がまた奇妙なんですな。
しかも何処か夢見がち+まだ13歳のセリョージャ目線なので、気まぐれに見えるおじの行動を肯定しようしようと当初はしているんですな。
それで読者側の視点もちょっと混乱するんですが。
とりあえず居着いた場所で技術者の息子と友人になったり遊んだり、それなりに楽しく+不安な日々を過ごす訳ですが。
それでもさすがに、列車では戦病者を装っていたヤコブが脱ぐとすごい身体だったり、彼等の荷物の中に引き出しに戻したブローニングを見つけた時、怪しさMAX。
ブローニングを持ち出し、拾得物取り扱いに行こうともするんだけど、対応の面倒くささにまた持ち帰り。
最終的にこの二人はやばい、ということでブローニングで立ち向かったら、喉を撃たれてしまって暫く入院。
軍の人から聞いた話では、おじと名乗る人はスパイだったという。
そこへようやく自由になった父親がやってきてセリョージャは帰ることができることになった、という。
読みやすく…… はなかったですねえ!
原題は「鼓手の運命」。WikiのGoogle訳使うと「ドラマーの運命」って出てくる奴ですね。1938年、これも「チムール」同様、元々は脚本だった模様。
……たぶんこれ、映像だったら色々分かり易いんだと思うんですよね。
こっちの読解力とか脳内映像化が弱いせいかもしれないんだけど、どうもこの不安定で不機嫌な少年一人称で書かれると、今一つさっぱりしないというか。
まあ13歳の少年はそういうもんかもしれませんが。
ちなみに13歳くらいの作者は、
>1917年2月から[13]、彼はアルザマス・ボリシェヴィキの党組織のためにさまざまな任務を遂行した。彼は街頭パトロールを志願し、すぐにライフルを与えられ、その番号を学校日誌に記入した。クーデターの日々の間、彼は士官候補生との衝突や士官候補生グループの逮捕に参加した[6] :62-64 [* 2]。1918年1月、彼はフリーマーケットでブローニングを購入したが、アルザマスでは問題にはならなかった - 最前線の兵士が鹵獲した武器を売った[15]。1918年の初めに、彼は市街戦に参加した。2月、彼は暗い交差点で胸を刺された[6] :63。赤軍に参加したかった彼の父親はすでに赤軍に勤務していましたが、年齢のせいで受け入れられませんでした。ボリシェヴィキで労働組合員、ナタリヤ・アルカディエヴナの親しい友人であるアレクサンダー・フョードロヴィチ・スボティンと、ボリシェヴィキ組織でのゴリコフの記憶を覚えていた軍事委員チュヴィリンを助けた。チュビリンはムーロムから移動してくるクラックのギャングからアルザマスを守るために彼を労働者の武装分遣隊に登録した[12] :101-103。1918年7月以来、ゴリコフはアルザマス・ボリシェヴィキのモロト新聞編集局の書記を務め、9月からは党組織の書記を務めた[16]。
実際の彼はとんでもなく物騒ですがな!
まあその後も物騒すぎる経歴ですので、まあ興味ある方はぜひ。
https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%93%D0%B0%D0%B9%D0%B4%D0%B0%D1%80,_%D0%90%D1%80%D0%BA%D0%B0%D0%B4%D0%B8%D0%B9_%D0%9F%D0%B5%D1%82%D1%80%D0%BE%D0%B2%D0%B8%D1%87
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