第13話
それから私達は、二、三個の質問に応えてもらうべくあることを聞く。
「貴方が襲って来ないと言うのであればこの拘束は解いてあげてもいいですよ。
それに二三個程質問に答えてくれるなら貴方を討伐なんてしません。ただ貴方はここで暮らしたいだけなんでしょ?」
そう言って私はフェンリルに問い掛ける。
そう言うと、少し戸惑うように驚いた顔をするフェンリルはコクリと頷いてくれたので私の魔法の効果を解除して問い掛けに答えるように話す。
『お前たちの知りたい事を、我が話せば良いのか?なら我からも話したいことがあるのだがそれでもいいなら、お前たちの問いかけにも答えよ。』
「ええ、いいですよ。それに多分そう言われると思っていましたので、先に話してくれても構いません。大丈夫ですよねオリビエ?」
「私も大丈夫ですよ。」
そう言ってフェンリルからの問いに答えるように頷いて話してくれるのを待つ。
『なら先に合わせてもらうが、もしお前たちに望めるなら――我もお前たちと共に連れて行ってはくれぬか?』
そう言うフェンリルは、少なからず真剣な表情でそう言葉を紡ぐ。
その提案は、非常に嬉しいし何なら私からお願いしようと思っていたから、非常に顔がニヤニヤしそうだけど、私は後ろにいるであろうオリビエを見て、大丈夫かを確認するために目線で訴えると、何も言うまいと言ったような態度で私を見ているため私は
「いいですよ。私たちからしたら頼もしいですし、私たち二人だと話題も限られてすこし物足りなかったから、それにフェンリルさんが居たら私たちが話す事もまとめて聞かなくて済みますしね。」
そう言って笑顔を見せと、少しだけオリビエと似た様なものを感じとるが、多分フェンリルは争いしか経験して来なかったから、私の行動が新鮮に捉えられたのだろう。
そうして私は
「なら契約魔法で貴方を従魔にしてもいい?そうすれば、私も安心できるし何よりもフェンリルさんにも恩恵はあると思うから、まぁ強さに関しては、大体把握はできるから、申し分ないけど。」
『うむ、我もそれがいいと思う。裏切ったりはしないが、あなた――エレイルがそう望むならそうしてくれ。』
私はそう言われてじゃあ決定ね!と言って契約魔法を行使する。そしてふと疑問に思って事を口吟む。
「あ、それならフェンリルさんに名前付けてもいいかな?フェンリルさんじゃあ何だか、余りしっくり来ないし、いいかな?」
『え?名前をつけてくれるのか?それは有難い!!是非頼む!!』
そう言って大型犬のようにぶんぶんと尻尾を振って喜びを露わにする。それか何だか可愛いとさえ思えてくるから、もうやられているのだろうと、思う私。
それから契約魔法をかけてフェンリルさんに名前を付けてあげる。
「じゃあ、エフィンなんてどう?ちょっと安直すぎたかな?」
そう言うと
『いえ!素敵な名前!!ありがとうございます。エレイル』
そう言って喜ぶフェンリル改めて、エフィンは嬉しそうに尻尾を振る。
それからは、私たちの問いかけに応えるように色々とこの森で何が起きて、誰がこの結界を貼ったのかを、話してくれる。
聞けば、この結界を貼ったのは今の代の一個前の魔王が張ったらしい。そしてエフィンはそこに閉じ込められて少しずつ力が削がれた結果、私たちに為す術なくやられたのだと、言っていた。それから私は、その結界を破る。結界を破ったあとにエフィンの実力がどれぐらいだったのか聞くと全盛期は、魔王と殺り合える程に力が強かったのだという。だけど、今は時間の流れによってここまで弱体化していたから、私たちでも止められてたのだというと、エフィンに行ったら。
『いえ、多分ですが全盛期でも7割はエレイルの方が優勢だと思いますよ?あれ程の空間干渉と重力操作は並のものではビクともしませんからね。』
そう言って私を誇らしげに見つめてふんす!とするエフィンに対して、私は内心こう思っていた。〈ええ!?そんなに私力強かったの?!それ考えるとあの魔法5割程度だったから――あぁ、やばいこれから本気だすのはやめておかないと....〉
そんなことを考えていた。
そして2つ目に私は、魔族の事について知っていることをエフィンから聞くのだが
『我も、そこまでの事は分からないが一つだけわかっている事と言えば、あの時対峙した魔王の他に、もう一人魔王以外の気配はしていた。それが誰なのかは分からないが、その魔力は覚えているから、会った時は役に立つと思うぞ。』
そう言うエフィンは、オリビエを見て何故かドヤ顔をする。それを見ていたオリビエは、なんだかもの凄い笑顔なのに、少し背筋が冷えるような感覚に陥るが、それは一瞬で無くなった為気の所為と思うことにした。
触れない神に祟なしというしね、うん!
そう言い聞かせながら私は、笑顔を貫きながら私は次なる目的、そう!あれですよアレ!!
3つ目は、私の念願の夢と言っていい程に焦がれていた。動物との触れ合い!!
それを聞くと
『もちろん、構いませんよ!!』
そう快く、頷いてから私はエフィンのお腹に我慢できずに飛び込む。
「ふわぁ〜何これ凄くモフモフしてる♡はぁ〜幸せ♡」
私はエフィンのお腹に顔を埋めながら、そのモフモフを堪能する。それを見ているであろうオリビエはと言うと
「あんな犬っころに抱きついて、蕩けるような笑顔をしているエレイルも可愛いけど、あの犬っころのあの態度気に食わない((ボソッ…」
なんて争うように睨み合っているのは、エレイルには届かない。
そうして私たちは、この森から移動するまでに色々な話をするのだった。
◆◇◆◇◆◇◆
〈あとがき〉
エフィンとオリビエのやり取りは今後も続くけど、いずれ和解はする模様〔予定〕です。
次回の投稿は、別視点の回になります。
内容ですが―――投稿してからのお楽しみということで、期待基楽しみにしておいてもいいですよ?(笑)
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