第11話


あれから私たちは、迷いの森に行く道を眺めながらのんびりと、進んでいた。


色々な事を振り返りながらも、楽しくオリビエと街道の道を進んでいきローダーの町から、約2日で迷いの森付近に到着した。


そこの雰囲気は、ダンジョンのような隔離された雰囲気を漂わせていた、それでもさっちが効かないと言うほどに、その巨大な力の持ち主の存在は隠しきれなかった。


そして目の前の何kmあるのか分からない広大な森を、私たちは眺めていた。


「ここが迷いの森...」


「凄いですねここまで、広大な森とは思っていませんでしたよ。」


「そうだね、これほど広ろかったら、迷いの森というのも納得出来ますね。最初聞いた時は幻惑とかがかかっているのかと思っていたけど、ただ単純に広大ということだったようですね。


だけど、私は何だかこの空間が少し歪んでいるように思えたのは気のせいだったのかと思えるほど、今はその歪みがなんなのか分からなくなっていた。


まぁ気のせいだったのだろうと思いつつオリビエに再度確認をする。


「オリビエは、ここから先本当に....」


「エレイル、私が行かないなんて言わないの変わってますよね?心配してくれるのはすっっごく嬉しいですが、エレイルがどこに行こうと絶対ついて行きますからね。」


そう言ってふんす!と言った表情で仁王立ちするオリビエはやはりオリビエだと思えてきてなぜだか、笑えてきてしまう。


そういったやり取りをしていて凄く落ち着くのは、何故なのかは未だに意味不明なのだけど、まぁ、面白い事に変わりはないし、何よりあのパーティと比べたら雲泥の差と言えるほど、今は満たされているから、ちょっとホッとする。


そんなこんなで私とオリビエは、この広大な森に入って、この迷いの森の主であるはずの魔狼フェンリルさんのいる場所に向かうことにするのだった。




◆◇◆◇◆◇◆




森に入って、最初は凄くのどかな雰囲気のある森林で暖かい日差しがこぼれびのように広がっていて大きな動物や小動物も豊富にいた。


だけど、そんな中で私はひとつ疑問に思ったことをオリビエに話しかける。


「オリビエ、これって...」


「そうですね、私もエレイルが今疑問に思ったことを思い浮かべています。」


「うん、こんなに豊かであるのにもかかわらず魔物が大量に湧いてないのは、何故なのと私は思ってるんだけど、これってもしかして」


「恐らくですが、ここの縄張りである主のフェンリルさんが、排除しているかもしくはこの森を守護しているのかもですね。」


「あとは、私たちが入ってきたことに気づいているはずなのに一向にこちらに来ないのは、私たちが脅威じゃないと判断したのか、もしくは」


「様子を伺っていると言うことかもしれませんね。そう思うと、かなり長い年月を生きていて賢いのかも知れませんね、それに何百年と語り継がれているようなので、もしかしたら」


そう言って私たちはのんびりではあるが、この広大な大地を見て回る。魔物はある程度居るが驚異となるようなB級以上の魔物は存在していなかった。


ほとんどが虫型の魔物でアーミービートルやマンティコア、キラーアントのC級の魔物が殆どだった。恐らくだが肉食系の魔物はここの主であるフェンリルが、殆ど狩尽くしているのかもしれない。


そう思うと、悪い存在じゃないのでないかと思えてくる。魔狼なんて呼ばれているが、ただ単にこの縄張りに入ってきた侵入者を排除しているに過ぎないのかも、だけど―――


「襲いかかって来るどころかもう完全に無視しているね。フェンリルさん」


「そうですね、威嚇するどころか私たちが強者ではないと思っているのかもしれなせんね。まぁ力や魔力を抑えているのでそう捉えられるかもですがね」


「まぁ、何もしてませんしね、それに私たちは敵対したい訳じゃないですし、ただどんな姿であるか興味があるだけですから」


そう言って、私たちは大体の森の把握をしながら突き進んでいく。


そういえばこんな出来事前のパーティーでは出来なかったと思う私は、少し振り返るように昔の記憶を思い出す。


あれば勇者パーティに入って間もない頃

私はここより小さな森のアラクネが住んでいた所を思い出す。




~過去のアラクネ討伐の記憶~



「お前達大丈夫か?」


そういう勇者くんは相変わらずと言っていいほど疲れのない声で呟いてくる。


そんな消耗もしていないのが私からは分かるようにあからさまにちらちらとこちらに視線を向けてきて私の気を引こうと必死なのが分かる。


私はそれに気づかないふりをしつつもあえてそれにのるように声をかける


「そうですね、少し休みましょうか、私の他にも少し疲れているかともいるようですし。」


「私はまだ大丈夫ですよエレイルさん」


「いや、ここは休もうテレラ最善を尽くさないと何かあった時に、困ることがあるかもしれない。それに私は皆が心配なんだ。」


「ゆ、勇者様....」


「はぁ〜素敵((ボソッ…」


「・・・・・・」


そう言って休憩できそうな場所を見つけてそこに腰を掛ける。


勇者は女剣士であるテレラさんに捕まって腕を引っ張られている状態、それに右の手にももう1人の女の子ロリだけど私たちより年上の剣闘士のシャロットも逃がすまいと絡んでいて私に近づくことも出来ない。


それをご愁傷さまと思いつつ、私は一人でのんびりとしようとしていようと思ったら


「エレイルさん、隣いいですか?」


そう言って私の隣に腰掛けようと話しかけてくる聖女オリビエを私は見上げる。


最初こそなんでこんな綺麗な子があんな必死に私を仲間に従っていたのかは、この時は想像もしていなかった。いつも私に同行したりする辺り私を気づかているような感じだから、凄く嬉しかった。


でもこのアラクネ討伐から、凄くオリビエの言動が過激になっていく、最初は隣にいるだけだったのに、次第に其れが目線が胸に行ったり、たまに手を握りたいような仕草をしたり、あまつさえ、隙あれば太ももを触ろうとしたりしてくるのだ。


気が収まらないと言えるほどに、私とオリビエは付かず離れずの距離感でオリビエに翻弄されながらも、追放される前日にはもうすっかり体が慣れ調教済みに至っていた。


あの時から、私はもうオリビエによって手遅れになっていたのかもしれないと私は考えながら隣にいるオリビエと並びながら迷いの森を覚え進んでいく。




◆◇◆◇◆◇◆


〈あとがき〉


こういった回を挟みつつ進行していきますので、よろしくお願いいたします。


次回ですが、来週の水曜程に出す予定?になります。〈必ずでないのでご了承ください。〉


オリ×エレがもっとみたいという方たちには申し訳ないですが、待って貰えると嬉しいです。


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