激レア種族に転生してみた（笑）

第38話 模擬戦①

　昼食を済ませてから第5闘技場へ向かい、併設されている更衣室で着替えようとしていると、同じ十傑のマリアンヌさんがやってきたので、声をかけてみた。

「マリアンヌさんも授業に出るんだね」

「……、えぇ、先生から直接指導を受けれるので」

「そうだよね！楽しみだよね」

「そうね」

　私が平民だからなのか、素っ気ない態度で接してくるように感じた。アルフォンス君が言ってたけど、グリエル王国の平民への差別は酷いのかな？　気にしても仕方ないので、私は手を広げて従者に着替えを任せていると、私に興味を示さなかったのに『ガン見』していた。

「ん？」

「あっ」

　私が見られていることに気づいたので、マリアンヌさんに顔を向けて首をかしげると、『プイ』と視線を逸らしてそそくさと着替えを済ませて、第5闘技場へと向かっていった。

§マリアンヌ視点§

　午後の武術の授業を受ける為に、第5闘技場に併設された更衣室へ入ると彼女が居た。グリエル英傑学園史上で初めて平民の首席合格者【アリス.フェリシア】だ。この世界では見たことのない艶のある黒髪に、吸い込まれそうな金色の瞳をし、美の女神かと思うような超のつく美少女に思わず見惚れた。

「マリアンヌさんも授業に出るんだね」

「……、えぇ、先生から直接指導を受けれるので」

「そうだよね！楽しみだよね」

「そうね」

　向こうから話しかけてくれたのに、緊張してまともな会話をすることができなかったので、かなり悪い印象を与えたかも知れない……。

　会話が途切れると、アリスは手を広げて従者に着替えを任せたのだけど、服を脱いだその姿が視線に入るとその美しさに息を飲んで固まった。

　透き通るような白い肌に、整った双丘とくびれたウエストに張りのあるヒップは、とても同級生には見えないものだった。

（ヤバイ！同性なのに鼻血が出そう……）

　思わず『ガン見』してしまって、私の視線に気づいたアリスは私の顔を見て首をかしげた。惚ける顔を見られたと思って、すぐに視線を逸らして慌てて第5闘技場へと向かったのだった。

§メインストーリー§

　着替えを済ませてから第5闘技場に向かうと、既にブルース先生が軽装備姿で生徒の到着を待っていた。余裕を持って来たつもりだったけど最後だったみたい。サイレーンさんは更衣室で見かけなかったけど、どこで着替えたんだろう？

　なんて思っていると、ブルース先生が午後の授業の開始を告げる。

「よし、全員揃ったみたいだな。参加は自由と言っても、俺との模擬戦なら十傑も来て当然だな。では、これより模擬戦を始めるぞ！」

「「よろしくお願いします」」

　ブルース先生との模擬戦は序列の下から順番に行われたけど、打ち合うことはなく一瞬で勝負がついた。教師の威厳を見せつけることで、優位に立とうとしてるのかな？　なんて思えたのだった。