夏休みと聖女たち

第17話

 今日も私と楓の2人は一緒の部屋にいる。

まあ、いつもの事。


 「楓。」

 「んー。」

 「いつまで抱きついてるの?。」

 「ん"ー。」

 「楓……。」


 ぎゅー、と締め付けてくる。

ここ最近の甘え具合は異常。

いったいどうしたらいいものか……。

夏休みの宿題も2人揃って終わり、まだひと月以上あるこの時間をどうすべきか……。


 「楓。どこか行きたいところある?。」

 「ない!。」


 即答。

うぅ。これは困ったな……。

プール行きたいし、水族館とか、遊園地、いっぱいあるけど……。本人がこの調子じゃなぁ……。

まあ行くとしても貸切か、楓が初めて金賞取った記念に与えられた別荘くらいだろうか……。


 レパートリーよ。

楓には困ったものだが……。

あぁ〜どうしよう。

このまま、また1週間ダラけるのだろうか。

それも良い。良いけども。


 「楓。」

 「ふぁ~い。」


 楓がふてくされながらも私から離れる。

正直ごめん。

でもこうしないと私動けないから。


 「楓。どっか行きたいところある?。」

 「ん〜。プール。」

 「プール……。また貸切?……。」

 「うん。嫌だけど玲や雪も一緒に。」


 そういうのは本人たちの前で言わないでおこうな。

でも。楓から2人も一緒にって言うのはちょっと予想外だったな……。


 「水着どうする?。」

 「私の方で全部、渚用に揃えてあるから大丈夫。」

 「えぇ……。」


 まさかの全部揃えてあるので手ぶらでいいです宣言……。

いやはや……。

えぇ……。


 まあとにかく。

明日プールに行くことになったので2人に連絡することにした。

 玲からは。


 『急に言われても困る。』


 って反応されたけど、問題なく来そうな安心感があるのよなあの子。

なんというか。伝統的なラブコメ系ツンデレの性格してるからあの子……。

 一方、雪からは。


 『貸切ってなんですかそんなお嬢様イベントは!?。』


 と、大変喜び驚いてくれた。

また同人誌のネタにするのだろうか……。

いやまあいいだけどね。

いろいろと関係者に迷惑かからないようにね。


 そんなこんなで翌日になり。

私、楓、玲、雪は楓の親の会社グループの一つのプール施設に来ている。

とりあえず波乱の状態になるな。

うん。

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