アイテムボックスに拘って…

73 アイテムボックスに拘って… その73

　中学２年生にして（予定ではあるが）16億円超の資産を築いてしまった匣岬 甲司（はこざき こうじ）。駄菓子菓子……時代は隕石衝突で経済が半ば崩壊してしまった世紀末も同然の世の中だ。一応は日本円が通じる日本国ではあるが、いつ政府が崩壊して通貨としての価値が無くなるかはわからない……。世の資産家は、金銭もそうだが資産としてダンジョン産の希少金属や宝石類……いや、魔石を資産として溜め込んでいるという……無論、貴重な魔導具などもその類に属する。つまり、甲司は本人と素材さえあれば、いつでも資産に相当するアイテムボックスを限定的にだが量産できる存在となりつつあるのだった……フラグ？……ﾅﾆｿﾚｵｲｼｲﾉ？（ｦｲｯ）

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──そろそろ考えないといけない時期なのかも？──

「うーん……結構溜って来たけど……余り鍛える用には向かないよなぁー……」

　タナミナ兄妹の持ってくる第１層で拾って来る様々なアイテム群……。最初でこそ、アイテムボックス付与の鍛錬でぐんぐんと腕前は上がって来たと思うんだけど……

「もう殆ど引っ掛かることもないんだよな……」

　素材のレベルアップ加工……要は糸→布→上位素材への加工なんかはもう限界のようで、具体的にはスパイダーシルクを紡績スキルで糸に整えて、布加工スキルで布に加工。スパイダーシルク布から上位布に加工はできるけどそれ以上は無理。

　種族的にはそれより上のモノが無いのだからしょうがないけど……。金属系も同様で、くず鉄を鉄板に整えて、鉄インゴットに。そして素材を鉄から鋼鉄にはできるけど……全く別系統には変化させられなかったんだ……鉄系統には他にステンレスとかあるけど、あれはどうやってできてるのか……どうやれば加工できるかって知識が無いせいだろうと考えている。

　刀なんかは砂鉄から玉鋼（たまはがね）を作り出してってあるけど、そもそも砂鉄と鉄はちょっと違うみたいだからねぇ……

※ググったら、砂鉄はガラス繊維に似ている金属で錆びないそうだ。鉄は錆びるから別物と考えた方が良さそう……

　木……というか樹木系か。単純に木製加工物を作り出せるくらいしかできない。生木を乾燥させて加工し易くする、切らずとも変形させて加工素材とする、加工素材から完成品を作る。後は……木粉末から加工素材の形に固める（崩れない状態にできる）などか……

　壊れた盾の裏地の木板なんかは一旦粉末にしてから加工素材にした方が楽だったんで、こっちは必要に応じて派生したスキルだと思う。まぁ……無駄なく木製加工品を作れるし今のご時世無駄なく物を作れるんで一番使い勝手がいいんじゃないかな？……と思ってる。

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「後は屑魔石の加工とかか……」

　屑魔石は砕け散って小さい粒になってる魔石だ。ゴブリンの傷の無い魔石よりも小さい粒状になってて、普通ならゴミと然して変わらない。それらを集めて使用に耐え得る魔石の大きさまで加工……というか融合できるスキルかな？　金属加工の延長上の派生スキルっぽい。

　基本、密度が低いと石で、密度が高まると金属、更に高まって宝石の類……そこに魔力が浸透すると魔石。魔法金属は金属に魔力が浸透してるもんだと思う。

　ちなみに石加工スキルは金属加工スキルに内包されてて、敢えて表記はされてないっぽい。詳細を見るとわかるんだけどね……通常は石加工スキルを覚え、金属加工、宝石加工と覚えていくみたいだけど。

「職人じゃないからなぁ……我ながらイレギュラーな覚え方をしてるもんだ……」

　いや……図書館の傍を通る機会があって、時間もあったし寄って見たんだけどね。流石に本も貴重品とあって、貸出はやってなかったので時間ギリギリまで読書してたって訳だ。

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　甲司の加工系スキル解説回……そして加工できる内容物の説明回でもある！

※かなり大雑把ではあるけど