39 アイテムボックスに拘って… その39
シカーモ(変な外人アクセント)……魔物ドロップ素材の布袋への付与なぞ初めてなのにチャンスは4回までという……(逆にいえば4回チャンスがあるという訳だが……)
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──仕方ないので先生を捜索した──
「……広い」
廊下を歩き始めて
「何度か曲がったけど、何でドア少ないんだろ?」
一応、ドアを見つける度にノックをして反応が無ければ開けようとして開かなかったり、開いたけど誰も居なかったり……。そんなことをしてると見覚えのあるドアが……いや、出て来たドアがわからなくなったら困るので。
「シールを張っておいたんだけど……ひょっとして無限ループしてる?……この廊下」
どうやって案内されたのかわかんないんだけど……と思ってたら、ようやく探し人が!
「……何やってんの? 甲司くん……トイレはこっちっていったでしょ?」
と、プリプリ怒りながら向こうからやってきた!
「せ……先生!」
「なぁに?……迷子になって泣きそうな子供みたいに……」
いや、迷子になりかけですが泣いてはいませんが? 取り敢えず、元の部屋に戻ることに……廊下じゃ落ち着いて話せないしね。
・
・
「……で、どうしたの?」
先生が着席して落ち着いてくれたようで質問を促してくれる。
「実は……」
と、アイテムボックス付与する布袋の
・内容量拡張の倍率
・重量軽減の減少率
・可能ならといってた3つ目の時間経過軽減の倍率
……を、訊いてみた。この辺、全く聞いてなかったので……そこら辺がはっきりしないとどうすればいいかわからないし、最低限の数値とスパイダーシルク製の布袋が耐えられる数値もわからないといけない……。いきなり100倍とか掛けて(やんないけど)爆裂されても困るからだ……
「あー……書き置きも無かったの?」
「はい……だから困ってたんですが?」
「ちょっと待ってね……」
と、先生が棚に向かい、乱雑に並べてある本を引っこ抜いては中身を斜め読みする感じで見、戻してはまた別の本を……って感じで探し物を開始する。
「……あぁ、これこれ……」
そしてパラパラとページをめくり、とあるページで手を止める。
「
こちらに来た先生が本のページを開いたまま渡してくれる。そこには、こう書かれていた。
【スパイダーシルク製品のデータ】
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◎ダンジョンスパイダーの吐き出した糸(腹の「糸いぼ」より出す)で作られている
◎地上世界のどの糸製品より強靭で魔法耐性もあるが火に弱いのは変わらない(耐性加工されてれば別)
◎袋の形状に加工されている場合、アイテムボックス付与で2つ、ないしは3つの機能が付与可能※
※付与術師の能力次第では3つ付与可能というだけで大抵は2つまでとなる
◎内容量拡張の倍率は最大20倍までである(付与術師の能力に左右される)
◎重量軽減の減少率は最大80%までである(同上)
◎時間軽減緩和は過去に掛けられた実績は無いが、付与術師次第では掛けられるだろう……
◎尚、スパイダーシルクの最大荷重重量は糸1本辺り100kg前後である
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「……何だ最後の」
「1本で100kgの重しをぶら下げられるっていいたいんじゃ?」
「まぁ……そうですね」
内容量拡張倍率は20倍が最大、重量軽減は最大8割減、時間経過緩和は成功した例が無いということがわかった。
「ふむ……じゃあまずは……」
3つとか無理は止めて2つ付与で。最大同士の内容量拡張20倍&重量軽減8割カットの付与を試してみることにした。
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失敗したら徐々に下げていけばいいよね!……というノリでw
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