27 アイテムボックスに拘って… その27
今までに作った布袋とか木箱にアイテムボックス付与を連続成功した。唯、普通品質なので限界が低くて限界を超えると破損することがわかって良かったのかも……だけど、やたら拡張容量が多ければいいという訳じゃないのもわかった。
木箱は元々小さいし宝石入れとかアクセ入れとして使うなら場所を固定するから重くても問題ないけど布袋は最大の5倍にすると重過ぎて破けてしまう……といった弱点がある。入れた時点で破けなくても、持ち運んでいく内に破けてしまう場合もある……という訳で、余程頑丈な造りでもない限りは3倍程度が妥当なんだろうな……ということとなった。
どちらにせよ「内容量拡張」しか付与できない……3つ付与できれば問題ないのだけれども……
※「内容量拡張」「重量軽減」「頑丈」の3つ。更に「時間経過軽減」「時間停止」が付けば文句無しだが……そこまでいくとアーティファクト級どころか神話級になるので持ってるだけで争いの種となる
※「内容量拡張」だけでも付与者は普通に見られない。倉庫に付与するなら1つでも十分なので引く手
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──売却相談──
「あ、
「
何故か、家庭科部と料理研究部の2つの部活動を兼任しているこの先生からは……苗字で呼ばれない。恐らく、「
何故か、名前と苗字、共に……しつこいくらいに「甲」の文字が入っているのは何なのか……4文字中、3文字に「甲」が入っているとか……呪われてるんだろうか?……って、まさかな。
「僕が作った物を売りたいと思うんですが……ちょっと問題があって相談したいのですがいいですか?」
「……ひょっとして、家庭科室で作ってた袋とか箱かしら?」
一応、裁縫スキルが生えたので鍛錬したい……という名目で間借りしていたのだ。今回は家が貧乏なので少しでも貢献したい……という名目で販売ルートを確立したいので相談しようと思うのだが。
「そうね……」
と少し思案した上で、先生は準備室へと来なさいと
・
・
「それで……売りたいって物は持ってきているのかしら?」
そら……売り物になるかどうか、実際に見て貰わないといけないし……当然持ってきているが、現在の僕はベルトに例の小銭入れを装備してるだけで他には何も持っていない。
「今、出しますね?」
学生鞄も持ってないのに何処から出すのだろう?と、先生は興味津々とこちらを見ている。
どす!
まずは布袋を一杯突っ込んでいる大き目の袋を1つ取り出す。
「まぁ!……若しかしてだけど……アイテムボックス?」
「えぇ……まぁ」
「……その袋の中身も?」
「そうですね……」
そら何も無い所から取り出せば一発でバレてしまうか……いきなりネタがバレて少々がっかりしてしまったが……年長者なのだからすぐわかるかと気を取り直し、
「まずはこれです」
と、ここ数週間掛けて作ってた内の1つ。布袋を取り出す……というか袋をひっくり返して出す。
「15個ありますが……全部5倍の容量拡張を施してあります」
「……え?」
今、何つった?……という顔で聞き返す先生。取り敢えず、最初に付与した5倍までの奴は手元に置いておこうと思う。そちらはあくまでテストで作った奴だし、付与も掛けが甘い気がしたので。残る15袋は気合を入れたんで……多分数年は付与が切れない……と思う。
※永続で掛かってるとか昔のアーティファクトなら兎も角、現代の付与術師には荷が重いと思う……
「これって1つ、幾らくらいで売れると思いますか?」
「……これ、全部、あなたが?」
「えぇ……まぁ……」
何となく、ワナワナと震えてる希ガス。
「後ですね……」
と、再び木箱を突っ込んでいる袋を取り出す。
「まだあるのっ!?」
先生は、半ば悲鳴のような声を上げた。いや先生……耳が痛いので大声で叫ぶのはちょっと……誰か来たら困りますよ?
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マイペースで先生に突っ込みを入れる甲司くんでした(心の中でだけど)
※先生が叫んで誰か大慌てで現場を抑えるifシーン
糧飯先生「まだあるのっ!?」
甲司 「先生、ちょっとボリューム抑えて……」
短忍先生「糧飯先生! 一体何が……匣岬?」
甲司 「あ、先生……どうしたんですか?」
短忍先生「どーしたもこーしたも……お前……まさかとは思うが糧飯先生を手籠めにしよーとか思ってないだろーな?」
甲司 「え? どーやったらそんな話しに?」
※そして愛憎ドロドロの昼ドラな展開に……なったら面白そーだけど書きませんw(先生は2人共30代なので甲司の好みの範囲外ですし、そもそも同年代でもああいう対応なのでw←面倒だなとか放っておいてくれとかいう感じ)
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