第1話 引退について

定年退職で過酷な仕事から解放されて。

悠々自適の生活。


皆様も。

憧れていませんか?


かくいう、僕も。

さっさと会社を辞めて、夢の年金生活。


毎朝。

目覚まし時計を気にすることなく。


寝たいだけ、寝て。

好きなだけ、テレビや漫画を読んで。


昼間から。

ビールなんか、ぷはぁ・・・と。


でも、それって。

直ぐに飽きるし。


あっちゅうまに。

ボケるような気がします。


かと、言って。

70歳過ぎるまで働くとか。


それも無いと。

思うのです。


生きがいになる趣味を見つければいいじゃない?


そんな風に。

高価そうな一眼レフを担ぐ人を見かけます。


それは、それで。

良いとは思います。


だけど。

何だか。


無理やり趣味にしているようで。

そう、まるで仕事のように見えるのです。


昨年。

京都の梅の名所に行きましたけど。


しだれ梅のスポットで。

巨大な望遠レンズが何十本も。


僕は小さなデジカメでしたけど。

シャッターチャンスをうかがって人の頭越しに。


何だか、違う。

そう、思ったのです。


大半は。

僕より年上の方が多かった気がします。


皆様。

何とか「生きがい」を見つけようと。


もがいている。

そう、思えました。


引退とは。

それほど難しいことなのでしょうか。


憧れの。

好きな事だけできる時間。


僕の。

皆様の理想は。


蜃気楼だったのでしょうか。


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