ことのひびき
大船パセリ
プロローグ
きっと、私は音で、音は私だったんだと思う。
あの頃の私はそう言えるくらい、音に囲まれていた。
でも、あの時みたいな音は聞こえない。
鳴らせない。
私にその資格が無いから。
私に強い心が無いから。
あの旋律はもう聞こえない。
楽しかった日々も戻らない。
音は今日も聞こえない。
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