第3話 初戦闘

受験当日になった。


俺は、昨日の金髪ロングの人が教えてくれた通りに、都市のど真ん中を目指して歩いた。


金髪ロングの人が具体的な時間を教えてくれなかったので朝日が出る前の、かなり早い時間に出発したが途中、迷ったのでちょうど良い時間ぐらいに超常学園に着いた。


超常学園はかなり大きかった。だが受験者はさらに多かった。


遊園地5個分ぐらいありそうな敷地は人でパンパンになっていた。おそらく100万人ぐらい、いそうだ。


あわよくば、昨日の金髪ロングの人と再会してお近づきになれるのでは?なんて事を思っていたが、この人数じゃ無理そうだ。


俺があまりの人の多さに緊張していると、頭の中に直接、女性の声が聞こえてきた。


『ようこそ100万人の受験者の皆様』


俺の頭の中に届いた声は、どうやら周りの人にも聞こえているようだ。



これはいわゆるテレパシーというやつなのだろうか?


『今から第1次試験を始めたいと思います。知っている人も多いと思いますが、第1次試験は、モンスター討伐となっております。ここから南側にある山に移動してください』


どうやら第1次試験は俺が昨日俺が捨てられた山で行うようだ。


100万人の受験者がゾロゾロと一気に歩いて、山に着くとまたテレパシーの声が聞こえてきた。


『それではルールを説明します。』


そういうと手元に突然、ルールについての説明書が表れた。どうやら100万人全員に届いているようだ。これも学校関係者の異能なのだろうか?


『この森に、我が学園が捕獲したモンスターが2000匹が放されております。我が学園が捕獲したモンスターには青色の宝石のような印が付いております。印がついたモンスターを1匹倒したら、ついている印を持って我が学園に戻って来てください。学校の敷地に印を持って来た時点でクリアとします。』


つまりモンスターを1匹倒して学園に戻ったら良いと言うことか。


ルールは難しくないが、モンスターが2000匹となると第1次試験の時点で100万人から一気に2000人にしぼられるらしい


『それでは第1次試験スタートです。』


随分と急に始まったので少しで遅れてしまったがまぁ問題はないだろう


人のいない方に進むと俺は、運良くモンスターを見つけることができた。


「は?」


そのモンスターを見て俺は結構ビビった


遠くから見たらわからなかったが、そのモンスターは、黒いドラゴンだった。

ゲームの終盤の方に出てきそうな感じの見た目だ。


「こ、こんなのどうすりゃ良いんだよ!明らかに勇者しか倒せないような見た目してるぞ?!こんなの人生の大半引きこもってる俺に倒せるわけないだろ!!」


でもレジェンドヒッキーになるためには、避けてられないのでどうにかして倒さなくてはならない


俺がドラゴンに勇気を出して近づくと中学1年生ぐらいの見た目の黒髪ポニーテールの美女が突然、俺の前に表れた。


「いただきます」


そういうと、その黒髪ポニーテールの人はドラゴンを

異能の力で一瞬で倒した


「マジかよ」


そしてその黒髪ポニーテールの人がドラゴンについた印を取り、俺とは1回も目を合わさずに早々に去って行ってしまった。


「とんでもない強さだな」


もし受験者が皆さっきの黒髪ポニーテールの人と同じくらいの強さだったら俺は、どう足掻いても合格できなそうだ。


「まぁ流石にそれはないな!ないと信じよう!」


俺は無駄な事を考えるのをやめて他のモンスターを探した。



それから3日が過ぎた。


俺は3日間で最初のドラゴン以外、何ひとつモンスターと会うことは、なかった。


3日後の夜ら冷静な俺でも流石に焦っていた時、急に、テレパシーが頭の中に響いた。


『残りモンスター5体となります。』


まずい、流石にまずい


「こうなったら俺の奥の手を使うしか...」


焦った俺が、また中二病発言しそうになった時、俺の元に運良くモンスター空を飛んできた。


「マジか」


またしてもゲーム終盤に出てきそうな見た目の、赤いドラゴンだった。


そのドラゴンに俺はまたビビったが、また横取りされてはたまらないので、ドラゴンに立ち向かった。


「まずは、様子見で極炎だ」


今まで窯に火をつけること以外してこなかった極炎をでドラゴンに放ってみた。



「あれ?意外と効果があるかも?」


少し手加減して極炎を放ったら、バランスボールくらいの何とも言えないサイズの火の玉が出たので、期待してなかったが、意外とドラゴンにきいていた


「ちょっと試してみるか」


極炎を全力で放ってみたらさっきの極炎の10倍ぐらいのサイズの火の玉が出てきた。


そしてその全力の極炎をドラゴンの頭に向けて放つとドラゴンの頭は、跡形もなく吹き飛んだ。


「あれ?極炎だけでこんな見た目のドラゴン倒せるなんて俺って意外と強い?」


だが俺は3日前に、会った黒髪ポニーテールの人もドラゴンを一瞬で倒してた事を思い出した。


「俺が強いんじゃなくてドラゴンが弱いのか」


どうやら第1次試験は、戦闘能力ではなく敵を探す力を見るのが目的となる試験だったらしい


「まぁ細かいことは置いといて、行くか!」


俺はドラゴンについていた印を取り学園に帰ろうとした時、頭の中にテレパシーが流れた。


『ただいま全てのモンスターが倒されました。朝日が登る前に印の持った受験者は学園にお戻りください』


どうやら俺が倒したドラゴンが最後のモンスターだったらしい


もう夜になってからだいぶ時間がたっている。


多分あと2時間くらいで朝日が登ってしまうのでので、早く戻ったほうが良いだろう


「いやーそれにしてもラッキーだったな!後は、学園にこの印を持ってくだけだし、第1次試験は、なんとかクリアだな!」


だが、まだ第1次試験は終わらなかった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る