閑話 無敵に憧れた男、満夫
史佳のバカが俺様に暴言をぶつけた挙げ句、一方的に別れるだと?
ようやく口説き落としたんだ、簡単に別れてやるもんか。
大体あの
親は普通のサラリーマンだし、バイトもファミレス位しかして無かったから、ホテル代も俺持ちだったんだ。
「まあ...楽しませて貰ったがな」
半年間、メス豚の身体は堪能した。
最初はマグロだったが、俺自慢のセックススキルでバカはメロメロになった。
あんまり何度もせがむから、最近はアダルトグッズに頼る羽目になっちまったがな...
「次を探すか...いや俺のプライドが許さねえ...」
男としての尊厳をあそこまでこき下ろしたんだ、制裁は受けて貰わねえとな。
「脅しじゃねえ所を見せてやる」
パソコンにハメ撮り映像をアップロードさせる。
俺だってバカじゃねえ、このままネットにばら蒔いたら、不味い事位は分かるさ。
「...結構難しいな」
映像の加工ソフトで俺の顔や、声を切り取る。
勿論史佳のアへ顔はそのまま、世界中に恥を掻かせてやるよ、俺をバカにした罰だ。
「クソが...」
何が爪楊枝だ!
亮二の奴がそんなに凄かったのか?
あれだけ俺のモノにすがりついてヨガっていた癖によ。
「...無敵の男」
何をバカな事を、あれは史佳のバカを落とす為、学内に広めた噂じゃねえか。
俺が無敵の男と言う存在を知ったのは偶然だった。
インターネット掲示板に挙げられていた無敵の男伝説のスレを見た事が始まり。
その男は俺と同い年で、人間離れした精力とテクニックを持ち、一度抱かれたら最後、どんな百戦錬磨の女すら、二度と他の男に興味を持たなくなると言う。
その他にエピソードも読んだが、余りに話を盛り過ぎていて、嘘がバレバレだった。
[一晩に百回以上女をイカせた。]
[キスですら女を絶頂させる。]
なにより...
「30センチだと、本当に日本人かよ?」
馬鹿げてる。
牛や馬じゃあるまいし、俺でさえ10センチしかねえのに...
なんでも話によれば、食い散らかした女に追いかけ回され高校を卒業すると同時に姿を眩ませたらしい。
「それが亮二?あり得ねえだろ」
もし俺がそんな力を持っていたら、絶対にハーレムを作る、一人の女も逃がしやしねえ。
無敵の男とされる画像はネットで無数にアップされていて、その中に亮二とよく似てる男が居た。
だから利用させて貰ったんだ、亮二が無敵の男だと。
余り噂は広まらなかった。
そりゃそうだ、何しろ亮二のバカは恋人の史佳にすら二年も手を出さねえヘタレ野郎だ。
いくら画像に近いのが有ったとしても、信じられないのは当然だった。
「まあ...バカメスを手に入れたから善しとするか」
ようやく加工が終わった。
少し画像が荒くなったが、なかなか良い出来だ。
最後にこの画像を史佳に送ってやる、最後通告だ。
きっと慌ててすがりついて来やがるに違いない。
「...ケツ穴確定だな」
もう遠慮は要らねえ、メス豚の尊厳を滅茶苦茶に踏みにじってやる。
先ずはサークルの仲間と
「ん、なんだこれ?」
パソコンの受信ボックスに見慣れない一通のメールが入っている。
ウィルスソフトに反応は無い...
「アダルトグッズ80%オフ?」
そう言えば、アダルトグッズは全部ネットで購入していたな。
俺は優良顧客って事か、丁度良い他のセフレに使えそうなグッズを買うとするか。
「えーと...」
滾る下半身を押さえながら、俺はメールを受信ボックスからクリック...
「な...なんだあ!?」
突然次々と開くウィンドウ!
けたたましく鳴り響く警告音が!!
「ち.、畜生!!」
クソ画面が閉じねえ!
ヤバい!ウィルスか!!
『ワーハッハッハッハ!』
「わ!!」
ドクロのマークがアップで表示され、ドスの効いた声で笑い出す。
ヤバいチビりそう....
「そうだ電源を!」
ウィンドウが閉じねえなら強制終了だ、データーやシステムがどうとか言ってる場合じゃねえ、電源のスイッチを押した。
「...消えたかな?」
真っ暗になったパソコンモニター。
しばらくしてから、恐る恐る電源を再び入れた。
『ギャー!』
「ひえぇ!!」
再び響く叫び声、赤、白、黄色、目まぐるしく変わるパソコンモニター。
これは本格的にヤバい事になった!
『アアア!』
「止めてくれ!!」
パソコンのコンセントを引っこ抜き、インターネットケーブルを本体から引き千切った。
「ヤバい...ヤバいぞ」
パソコンが壊れてしまったかもしれない。
まだ去年買ったばかりで、中には史佳だけじゃない、沢山のセフレとのハメ撮りが入ってるんだ。
「...バックアップデーターは無事かな?」
後付けのボックスに貯められたデーターが無事だろうか?
あれが流出したら俺は終わりだ、中にはレイプ紛いの映像もあるのに...
「...うん?」
ベッドで震えていると携帯が鳴った。
相手は大学のヤりサー仲間ミツルだ、まさかデーターが洩れたのか?
「もしもし、今それどころじゃ」
『葛野、傑作をありがとな』
「は?一体何の事だ」
何が傑作なんだ?
そんな映像をミツルに送って無いぞ?
『しかしハメ撮りにしては自虐的だな』
「自虐?」
何がだ?ミツル、一体何がだよ?
『今鑑賞してるぜ。
安心しろ、拡散してやったから』
ギャハハとミツルが笑い出す、頭に血が昇った。
「一体何の事だ!何がそっちに行ったんだ!!」
『何怒ってるんだ?
とりあえずお前の携帯に送ってやるよ』
ミツルから来た一通のメール、それを開くと...
「何だよこれ?」
そこには必死で腰を振る俺の姿、下半身には爪楊枝の画像が被せてある。
「おいミツル!」
携帯をミツルに掛ける。
こんなの拡散されたら終わりだ!
『傑作だな!爪楊枝クン!!』
「ふざけるな!!拡散を止めろ!」
『もう遅えよ、元はと言えばお前のパソコンから....うわ!!』
当然叫び声をミツルが上げた。
『お前何を送ってくれたんだ!
畜生!画面が落ちねえ!!』
叫び声を上げるミツル、まさかウィルスが伝搬してるのか?
『お前どうしてくれるんだよ!
このパソコン親父のなんだぞ!!』
「知るか!」
ミツルの通話を切る、こっちはそれどころじゃ...
『...なんだ』
見知らぬメールが携帯に入った。
アドレスも知らない所からだ、
「toothpick?」
分からない、当然だが開ける訳に行かない。
俺は携帯の電源を落とし、警察署に走った。
「すみません...パソコンがウィルスに感染して、携帯にもこんなメールが...」
「失礼、お預かりします」
幸いにも警察は直ぐに対応してくれた。
警察官に携帯を差し出す、こうなったら恥も外聞もない。
もちろん携帯のデーターはメール以外全部消した。
数日後、警察が俺の家にやって来て、パソコン一式が押収された。
一応パソコン類は前日迄に水へ浸けといたが、不安は消えない。
トンズラしようともしたが、既に俺の自宅周辺には無数の警官が張り込んでいた。
「葛野満夫。婦女暴行、その他の容疑で逮捕する」
「は?」
1ヶ月後、逮捕される俺。
連行された警察署で聞かされた。
全ての画像が警察に流出し、被害者が名乗りを上げたと....
学校は退学となり、損害賠償、親から縁も切られ、収監された。
メールの犯人は分からない。
...全てが終わった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます