夜舞神社と抱え人
永遠
プロローグ
「……。」
ある日の夕暮れ。尚美は公園のベンチに座り込んでいた。彼女の目に色はない。
それもそうだろう。先程、来年の春に中学生になる予定だった娘の葬儀を終えたところなのだから。
「帰らないと…雅人も待ってる…」
尚美はわかっていた。夫、雅人が空元気を見せていることを。
だが、通り魔に刺されて…そんな理不尽な事故に巻き込まれた娘の死。本来なら正気を保つことすら難しいはずだ。尚美のように。それでも自分のために、泣かずに慰めてくれる。同じように苦しいのに、辛いのに。泣いていいのに。
我慢しなくていいんだよ…雅人…辛いのは同じなんだよ…
その言葉を伝えるため。帰ろう、と尚美が立ち上がった直後。
「ここ…どこ?」
目の前の景色が急に変わり、公園にいたはずの尚美は神社の前に立っていた。
夜舞神社と抱え人 永遠 @towanante
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。夜舞神社と抱え人の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます