第3話 月
どこまでもどこまでも続く長い廊下。
そこを
この廊下はいくら速く歩こうが近道をしようとしても意味をなさない。ここは主の許可がなければこの廊下の終わりを見ることはできない。
まあ、
「ここか。」
「久しいですね。
平安の世から伝わる十二単に身を包んだ少女。しかし、彼女の持つ風格は少女としての範疇を明らかに超える程、洗練されていた。
「はん。何が『久しいですね。』だ。3日前に会ってるだろ。」
「つれないですね~。貴女は。」
少女は
「...。で、今回の依頼の詳細は?」
「...本当につれない...。」
話を手短に終わらせたそうな
少女の名前は
既に表では実権を失っている上帝家だが、占星術の世界においてはまだ実権を握っている。故に、占星術師としての素質がなければ御四卿、三呪家といった名だたる家を制御できない。つまり、かずらは演技する必要があった。占星術師だけでなく人間として成熟していることを示すために。
かずらは表情を真剣なものにし、
「そうですね。”
「”
「脱走、いえ彼女は自由を愛する人間ですから解放なのでしょうか。」
「なんだそりゃ。表のフランスみたいな奴が”
「そうでしたね。”
『六合』という言葉で
ーーーーーーーーー
”
それは、平安の世に日本の占星術師
正式には
”
”
”
”
”
”
”
”
”
”
”
”
と、鍵一つ一つに名前がつけられている。
ただこの鍵。依り代が必要かつ依り代が相当な霊力を保持していなければならない。晴明の死後、この鍵達は依り代を探すために世界に散った。
そして、神界への鍵のコピーと言うこともあり、多くの占星術組織がその依り代を巡って争うことになる。ちなみに、安倍晴明以降”十二の
また、依り代には”
ーーーーーーーーー
”十二の
また、誰が反対勢力と繋がっているか分からない。
となると、かずらが頼ることになるのは
”戦契”は保険。
ある意味、今回の件を達成するための宣誓に近いもので、
「で、向かうのは”聖都”でいいのか?」
「ええ。書状に書いた通りそこでかまいません。」
「分かった。」
「死なないでくださいね。”
「......。それ早く言えよ.......。」
「完全に忘れておりました。」
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