第5話 魔術について

「まずは魔術についてだ」


最初の授業では魔術の属性・魔法について習う

このあと実習があって

従魔との戦い方を学んでいく

ついでに、授業には従魔を連れてこなければならないらしい。

自身の従魔との交流を深めるためだとか

私からしたら目立つから嫌なんだけど


「魔術の属性は火・水・風・土・光・闇の六種類がある。

 特徴はすべて自然に存在しているということだ。

 結界やポーション作りなどは自然に存在しないので

 訓練をつめばだれでも使えるようになるが

 土属性が一番感覚が似ているな」


先生は黒板にきれいな字を書きながら説明してくれる


「創られた従魔は必ず主の魔法に適したものが出てくる。

 あるいはサポートのしやすい属性だ」


火なら風

水なら光

闇なら土


風で火を蔓延させられるし

水なら光属性で上級ポーションが作れる

闇と土が合わされば「暗黒武器」を作ることができる

ただ、光属性と闇属性は少ないので

基本的に水と土が合わさることが多い

土砂を起こしたり密室に閉じ込めて水没させたりできるからだ。


「属性と魔法は違う。属性はあくまで得意分野で

 ほかの属性と違い最初から決められている。

 2属性扱えるものはそうそういなくて、宮廷魔術師程度の力量を持っていると

 判断される」


生まれた時から決まっている素質に反することができる

それは、それだけの特訓をした

または天性の素質を持っていた

そのどちらかとなる。

国としても繋ぎ止めておきたいのが本音だろう


「属性でそれぞれ系統の魔法が分かれている

 一番わかりやすいのは水だ」


何の加工もせずに出る

それが魔法の系統だ


「水の場合は水魔法、氷魔法、

 水性攻撃魔法、氷性攻撃魔法の四つに分かれている」


普通の魔法と攻撃魔法は違う。

水魔法は水を出すだけで

水性攻撃魔法は水を使った攻撃を編み出す魔法。

それを応用した氷魔法は攻撃を防御できる氷の壁を出したりもできるが

攻撃系魔法じゃないと攻撃はできない。

また、攻撃系魔法では相殺する以外の方法で防御することはできないが

そもそも相殺自体よっぽど大きな攻撃を

よっぽど大きな力で相殺して奇跡といわれるくらいなので、

まず無理だろう。


火と風だと、弱風魔法・強風魔法みたいに

一つで二種類に分かれるので

種類が多くなる半面

水は単純に力量が設定しやすいので

わざわざ分ける必要はない


「魔法は通常魔法と攻撃系魔法に分かれているものが多くだ」


そう。一つだけ例外がある。

それが光魔法だ。


光魔法は

光魔法・光性攻撃魔法が主に使える技。

そもそも光魔法をきれいな水に入れるだけでかなりの怪我が治る

上級ポーションが出来上がるのだ。


しかし、光属性を極めれば、もう一段階上の魔法が手に入る

それが【光系特級回復魔法】だ


ポーションは基本

初級(かすり傷程度の怪我が治せる)

中級(打撲・出血程度の怪我が治せる)

上級(複雑骨折・骨折程度の怪我が治せる)

の三種類に分かれていて、病気などは治せないが

この【光系特級回復魔法】は死にかけの人や

意識がない人、はたまた病気さえもなおせる

超上級ポーションを作ることができる

なんならこの魔法を使うだけで戦場で死にかけの人を

回復することもできるのだ

攻撃としては拙く、最初は回復ができないが

この魔法が現れるかもしれないので

国は光魔法を重宝する


ついでに、じつは闇魔法も回復魔法なら使えるが

見た目はなかなかグロテスクでおすすめしない。

一度使い手が使っているのをゲームで見たことがあるが

悪魔だと罵られて国から追い出されていた。


「お嬢様。大変なことを考えておられるのですか?」

「いや。授業内容を振り返ってただけ」


美貌のメイド、フェンリル。

三代神獣であり、私の従魔。


ヒト化していないときは銀色の毛を持つ美しい狼で、

現在のようにヒト化している時は

銀色の長い髪と金色の瞳を持つ麗しのメイド姿。

…てかなんでこいつメイド服なんだ。

実は創造神の好みか?

…それとも私の好み?


いやいやいやいや

それはないな。うん。


「次回から実践ですね」

「だねぇ…」


私の属性は火

アヤナの属性は風


まぁ火事にしない程度に頑張ろう


模擬戦もあるみたいだし…

楽しみ!


…あれ?

フェンリルで実践授業したらみんな無事かなぁ…


ま、いっか!

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