卒業すれば20歳で政治家になれる学園。容赦ない試練と刺客に挑みます。

宮鳥雨

第1章 筒路美都葉の挑戦

第1話 プロローグ

 俺の名前は日暮勇気ひぐらしゆうき。組織“アリオト”に所属するスーパーエリートだ。


 俺が入学したここ“御座みくら学園”は現総理大臣が、次世代の政治家を排出するために創らした高校。もちろん、入試難易度も高いようだが、そこは俺の明晰な頭脳で楽勝であったが。


 そんなスーパーエリートの俺は別に政治家なんかに興味なんぞないが、俺には任務が与えられている。それは総理の娘、筒路美都葉つつじみつばをこの学園から退学させることだ。現総理大臣の支持率はそこそこあるらしく、貶めるための策が娘の退学だ。

 自分が創立した学園に入学した娘が退学することで、現政権に大ダメージを与えられると考えているらしい。


 去年の生徒、つまり現在の2年生はすでに80名近く退学しているだけに、生き残りは厳しいものだと容易に想像できる。ただでさえ、そのような過酷な環境であるのに、俺のようなスーパーエリートが彼女を退学させようとすれば、足掻くこともできずに退学することになるだろう。


 もちろん彼女の退学がそう簡単な話ではないことぐらい理解できている。総理の娘であるだけに勉学は積んでいるだろうし、何より警戒心も強いはずだ。組織はそれも計算の上で、卒業までに退学させればいいと考えている。早ければ早いだけいいみたいだが、それでも卒業できずに退学するだけでも総理にとってかなりの痛手となる。


 だからこれは、俺と筒路美都葉つつじみつばの3年間に渡る対決の物語となるわけである。


 ただ、彼女がどれほどの人物であるのかは資料でしか俺は知らない。手始めに入学式初日に仕掛けてみようと思う。彼女がどうそれを乗り込めて来るのか、今からとても楽しみなことだ。



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 次回更新は12月10日朝6時頃です。

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