夏休みに20kg痩せたら、散々俺をからかっていた幼馴染みが絶望して相撲部に特攻した
東音
第1話 ツンデレロリ系幼馴染みの煽り
「なあ、頼むよぉ!
「ああ?須毛先輩。毎日毎日、いい加減しつこいっすよ?」
相撲部の部長、
始業式以来今日の一学期終業式まで、巨漢の俺を見込んで須毛主将は毎日相撲部に勧誘しに来るのだが…。
「ぷぷっ。突張くんまた相撲部に勧誘されてる〜!」
「いい加減入ってあげればいいのに。同じような体型してんだし〜!」
近くを通りがかったクラスのカースト上位の綺麗めギャル系女子、
くそっ。須毛先輩のせいで悪目立ちして、ただでさえデブ陰キャというクラスで芳しくないヒエラルキーが更に低く…!
「土下座止めて下さい!入らないって言ってるでしょ?もう、迷惑だから、来ないで下さい!」
「こんなに頼んでいるのに、駄目だというのか?!血も涙もない奴め!!こうなったら、実力行使で力づくでも入部させてやる!!
ガハアアーッ!!」
ガバッと起き上がり、豊満なお腹の肉を揺らして須毛先輩が、猪のように真っ直ぐ、俺の腹に突っ込んで来たが、俺の大いなる腹の肉は、その衝撃を受け止めプニュっと少しへこんだ後…。
ボヨヨ〜〜〜ンッ!!
「ぎゃあああ〜っ!!やるな!突張!!俺は諦めんぞ〜〜!!」
反動で須毛先輩は叫びながら廊下の端までぶっ飛ばされて行った。
「ふうっ。うっとおしかった。」
「あははっ。見事見事!もっちゃん、今日も腹芸おつ〜!!」
俺が、豊満な腹の肉をふるふるさせながら、教室に戻ろうとすると、小柄でキュルンと可愛いツインテールの女子生徒が、笑いながら声をかけて来た。
「かのん…。」
「もっちゃん。須毛先輩が復活しない内に、早く帰ろ?ついでに家に遊びに行っていい?」
小学校からの幼馴染みで腐れ縁の
*
*
その1時間後ー。
「フンッ!フンッ!」
「ひゃっ♡あんっ♡もっちゃん、もっともっと〜!!」
俺とかのんはベッドの上で激しく体をぶつけあっていた。
と言っても、残念ながら色っぽい話では全くなく…。
「もっちゃんのお腹マジ、サイコー♡♡ジェットコースターより楽しいぃっ♪」
ポウンッ!ポウンッ!ポウンッ!ポウウンッ!!
「もうっ!かのんっ!いい加減にっ!しろよぉっ!!」
人の腹をトランポリン代わりにして跳んで楽しんでいたかのんを俺は強く天井まで跳ね上げてやった。
ゴンッ!
「ギャッ!!」
ドサッ。
「ううっ!痛あ〜ぃ!もっちゃんのイジワルぅっ!!」
天井に頭を打ち付け、ベッドに落ちたかのんは頭をさすりながら、俺に涙目で抗議して来た。
「るせーやっ!毎度毎度人の腹をおもちゃ代わりにされる身にもなってみろ?
ただの幼馴染みでイジられてるだけなのに、学校ではお前と付き合ってるように噂されて、男子からは嫉妬され、女子は寄ってこないし、いい事ねーわっ!」
小学校の頃はそれぞれ俺はデブ、かのんは地味な外見でいじめられっ子で、身を寄せ合うように仲良くなった俺達だったが、
高校に入ってイメチェンをしたかのんは、
ツインテールロリ系美少女として、男子から急にモテるようになり、ヒエラルキーが急上昇した。
健全な幼馴染み同士の関係にも関わらず、周りからは「あんなデブにどうしてあんな可愛い彼女が…!」と誤解されて冷ややかな視線を受けているのだった。
しかし、そんな俺の言い分が納得できないのか、かのんはぷうっと頬を膨らませた。
「むうっ!!何、その誤解されて迷惑みたいな言い方!?
大体もっちゃんが陰キャで女の子が寄ってこないのは、元からだし、私のせいじゃないしっ!!私がいなくなったら、おデブで汗臭いもっちゃんと仲良くしてくれる人なんて、須毛先輩以外に誰もいなくなるんだからねっ!!」
おデブで汗臭いだと?須毛先輩以外寄ってこないとか地獄じゃねーか!かのんめ!なんてひどい事言いやがる!!
「むうっ!!勝手に俺の未来を語るんじゃねー!かのんがいなくなったら、俺はダイエットして、細マッチョになってやる。そして、モテモテになって念願の彼女を作ってやる!!」
怒りのままに、俺はかのんに人差し指を突き立てそう言い放ってやった。
「い、いや無理っしょ!唐揚げキロ単位で食べるもっちゃんが、ダイエットなんて出来るわけないない!!彼女なんて出来るわけないない!!
そんな事出来たら、私もっちゃんに土下座して謝った上で、パンツ丸見えで逆立ちで歩いてみせるよ!!」
かのんは、自慢のツインテールをフルンフルン思いっ切り振って、ムキになって否定し、すごい申し出をして来た。
「言ったな?その言葉忘れんなよ?
明日からの夏休み、俺はダイエットに励むから、邪魔してくんなよ?二学期の始業式が楽しみだな。」
「え。本気??夏休み、私に一度も会わないつもり??」
「ああ。その方がお前もいいだろ?
モテないわけじゃないんだし、これを機会に俺から離れて、彼氏でも作ったら?」
「っ…!!余計なお世話だよっ!!
もっちゃんのバカァッ!!離れてる間、私が本当に彼氏作って悔しがっても遅いんだからねっ!!」
「おう!せいぜい頑張れよー?」
「〰〰〰!!帰るっ!!」
バタン!!
激昂したかのんは、ツインテールの髪を振り乱してそう言うと、大きく音を立てて扉を閉め、俺の家を出て行った。
「ケッ。かのんの奴め!痛いとこを突かれてムキになってやんの。内弁慶で外ではなかなか素を出せないお前が簡単に彼氏なんか作れるかよ?」
俺は扉に向かって舌を出した。
「俺も今度という今度は、頭に来たぜ。生意気なかのんをギャフンと言わせてやる!!」
俺は拳を固めると、ある人物に連絡を取るため、スマホを手にした。
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