巨人のハシゴ

昔々あるところに巨人が住んでいました。巨人はとても大きくて、山があっても崖があってもひとまたぎ、どこへ行くにも不自由することはありませんでした。でも巨人はなぜかハシゴを持っていました。どこへ登るにも降るにも使い道がないハシゴです。巨人自身もなぜこんなものを持っているのかわかりません。


でもある雨の日、巨人は思いついてしまいました。

「そうだ!雲の上に行こう!」

早速巨人はハシゴを雲にかけて登りはじめました。巨人は大きいのですぐに雲に届きました。

「これが雲かー。下は雨が降っているのに、雲の上はいい天気だなー」

巨人はふかふかの雲の上でくつろいでいます。少し小腹がすいた巨人は雲をちぎって口に入れました。綿菓子のような味がしました。

「これ美味しいな。そうだ!地上の人たちにもわけてあげよう」

巨人は持ってきたカバンに雲を詰め込みました。しかしその時!


バキューン!


突然宇宙の方からビームが放たれ巨人を撃ち抜きました。巨人はビームの熱であっという間に白骨となって、その骨は四散して地上に降り注ぎました。


今日の夕食のスープの出汁は、その骨でとったものですよ。

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