白兎と異世界2
「皆さま〜そろそろ行きましょうか!」
「「「はーい」」」
少し休憩をとり思い思いに行動した三人。うさぎの活動拠点に向かうべく歩を再開していた。
「次は、この世界の構造についてですね!」
「は〜い!質問です!」
「日皆さん、どうかされましたか?」
「あの遠くに見えるおっきな柱?はなんですか?」
「はい!いい質問ですね!この柱はガーデンを成り立たせる上で必要不可欠なものになります!」
「柱なんてあるか?」
「俺にはわからん」
「御影さんと蒼さんには少し遠かったですね。よ〜〜く目を凝らして町の先の方を見るようにしてみるといいです!」
キョトンと顔を見合わせてから遠くを見つめる二人。よくみてみると古代ギリシャ建築に使われる様な大きな柱が薄らと見えてくる。
「こっから柱までどれだけの距離があるんだ?」
「かなりありますね。あの柱がガーデンの中心なので。」
「ちなみにこの世界のサイズとかって詳しくわかったりするか?」
「はい!この世界の直径は約一万三千キロメートルになります。皆さまの暮らしていた地球の広い所を輪切りにしてそれを十層重ねた形になるのがこのガーデンです!」
「じゅッ!?」「は!?」
あまりの衝撃に言葉を失う御影と南雲。日皆はすごいねぇ〜と呑気に進んでいく。
「上もあるのか!?」
「はい!ここは最下層なので!」
「空も太陽も有るように見えるが…」
「ガーデンは特殊なので日と天体は観測できる様になっているのです!仕組みは難しいのでうさぎでは解説しかねますが、詳しく知りたければ後々わかる人に出会えると思いますよ」
「マジか…」
「コレは後でいいか。柱と世界どんな風に繋がりがあるんだ?」
「はい!まずは皆さまに確認していただいた
「なるほど、サブもあるのか。」
「はい!そして主神柱と神柱にはそれぞれ
「主神柱が階層支配者で神柱が地域支配者という認識で大丈夫か?」
「それで大丈夫です!ガーデンには階層があるというお話はしましたね。ここが少し特殊な所になります」
「まだ何かあるのか?」
「はい!この世界の根幹と言ってもいい部分です!」
「このガーデンは階層によってギルドの質が異なります。上に行くごとに皆様の世界でも有名な神話や物語が増え強者も沢山です!」
「なので最下層であるここは、もしも脅威にさらされてしまった場合、抵抗もできずに滅ぼされる可能性があるので、階層支配者と地域支配者の皆さまは単独三層以上の実力者ばかりが集められています。上の層になるとそういった脅威は自分達で追い払った方が楽ですからね〜」
「俺たち一番下なのか…」
「こればかりは自ら実績をつけ、
メラメラと闘志を燃やしながら力説するうさぎ。妙な説得力に気押される三人。そんな話をしていると町が見えてきた。
「わぁ〜広いねぇ〜」
「町だって聞かされてたけど思ってたよりデカいな。」
「あぁ」
「皆さまの世界のスケールと比べれば確かに大きいかもしれませんね〜でも上はもっとすごいんですよ」
想像よりかなり大きい町は笑顔にあふれ活気に満ちている。通りで売られている食べ物はどれも目を惹くものばかりで、通りのはずれでは楽しそうに子供が遊んでいる。
「元気でいい町だね!お腹も空いたし何か食べたいなぁ」
「そうですね。このうさぎ、名誉挽回の為に皆さまに何かご馳走しましょう!」
「やったぁ!何がいいかなぁ」
「日皆に任せるよ」
「俺もそうしよう」
「なるべくこの通りの中で選んでくださいねぇ〜!」
自らの目的を果たす為、目を輝かせながら走り去っていく日皆。御影と蒼はもう少しうさぎから話を聞くことにした。通りのはずれでは、何か大会のようなものが開かれている。
「あれ何してるんだ?」
「あれですか?また少し説明になってしまいますが大丈夫ですか?」
「あぁ、頼む」
「では説明いたしましょう!」
「この世界で何かを手に入れるには大体二種類の方法があります。基本的に売り物はお金で買えるのですが、それ以外のものもやり方によっては手に入る様になるんですね。」
「例えば、どんな?」
「先ほど、
「あぁ何となく覚えている」
「神様との繋がりも把握してもらっていますね」
「この世界では権能や神様からの贈り物などギフトと呼んでいます。概念的なものや物理的なものまとめてです」
「お金でやり取りできるギフトもございますが、基本的には当人同士のやり取りや、神からの試練をクリアして手に入れるというのが基本になります。コレらをまとめて
「なるほど。成り上がるというのはそういうことか」
「はい!その辺りはうさぎのお話と関係があるのであとでゆっくりお話ししましょう」
走り去って行った日皆がブンブンと手を振りながら嬉しそうにこちらを呼んでいるのがわかった。
「ねぇ!大食い大会やってるの!食べきったらドリンク一杯とデザートサービスしてくれるんだって〜!」
「コレも
「広義的にはそうですね!」
「俺はいい。そんなに食えねぇ」
「では皆さま!お昼にしましょうか!」
楽しく過ぎてゆくお昼時。料理が運ばれると共になるベルに日皆の戦いは幕を開けるのであった。
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