困っていたけれど夜空の向こう側で聖女が祈ってくれたのでデリケートな話ですがよろしくお願いいたします
明鏡止水
第1話 性別、深夜のきみへ
ある日。
男は困っていた。
おれって、おとこか?
そう思ったからだ。
深夜にふと。
周りの男たちはアルバイト先の気にならないけどどうにかなれそうな女の子の話。
この前偶然姉の着替えを見たけどよくよく考えたら妹のはしょっちゅう見てるけど何も思わない話。
でも彼女のはストッキングさえエロい話。
男って、なんだ。
おれは男なのか?全然わからん。深夜も手伝ってAVを見ようとしたが、架空請求が怖くて中学生の時、死に物狂いで友達と謝り、相手の業者のような「男」はこれからは気をつけるんだぞお!と激励していた。そんな思い出。
あれからエロいものなんて、友達が見せてくるちょっとオタク向けの趣味じゃない漫画しか見たことがない。
男は思う。やっぱり、おれって、おれって?
もしかして。興奮しない人間なのかもしれない。
性の迷走が始まった。時刻は深夜1時。
いくらでも考えられるが、いくらでも睡眠が取れる時間。
少なくとも女ではないな。イヤリングつけたいとか、オフィスカジュアルで決めたいとも思わない。
……でも、ピアスには興味があるし別にスーツでもいいじゃないか。
おれは、女性寄りだったのか?
実はオレンジやピンクなど、明るい色が好きだ。
なんなんだ。今日の悩みは。
毎日いろんなことに悩むけれど今日の話題はなんというか、手強いけれどやわらかい。
そもそもどうして最初に自分が男だと思ったのか。
それは……
黙っていたけれど。
家族しか知らないけれど。
心は男寄りで体つきもそうだけど。
女の部分もあるからだ。
そういう身体もあるのだ。
これから先、誰を好きになっても、自分の性別を決めないで生きて行ってもいいのかもしれない。
以上。両性具有のような悩み。というか、軽く扱っちゃいけない悩み。
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