孤独の道

君は空を知っている

 だけども飛ぼうとしない


君は地を知っている

 だけども走ろうとしない


飛んでも良いのよ?

 走っても、その先で転んだって良い


君は首を振る


一度高さの、速さの恐怖を知ったから

 だから飛ばないのね、走らないのね


走らないと追いつかない

 それを承知で走らない


だから君は永遠に其の侭

 皆が走って飛んでいる中歩けばいい


でも貴方は知らない

 歩かないと判らない季節の機微、風のそそよめきを


走って忘れてしまう思い出も

 飛ぶと落としてしまう悲しさも


好き好んで歩いている訳ではないけれど

 歩く事は何も悪いことではないのさ

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