風和 定数

第1話 夏祭り

 普段はおごそかで静かな通りにも、今日だけは喧騒が訪れる。

 大人たちの呼び声と、子供たちのはしゃぎ声。

 客を求める店番の声と、それに応える人々の声。

 普段は人気の無い暗い通りも、今日だけは明るく照らされる。

 出店に吊るされた提灯の灯り。

 客のかまえるスマホのライト。

 人々が空を見上げると、新月の暗い夜空に次々と明るい花が咲く。

 今日は、みなが待ちに待った、楽しい楽しい夏祭り。

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