第3話 で・・

それもアラシャ王様の好み趣味趣向・・

そんな好みの危ないB系の作品を描いていたりする


他にも 冒険系とか ちょっとお色気系とか 

百合とか薔薇系とか ほのぼのとか 可愛い少女漫画も


昔の騎士様たちのラブな・・御話とか


アリサが王からもらった綺麗な御屋敷のはずの部屋だったが 

そこは今はタコ部屋 資料は散乱 不気味なオーラが漂うお化け屋敷風


「アリサ王女さま 二人 アシスタント倒れましたあ」

茶色の髪と猫耳尻尾の少年タクスが うつろな目で チラリと周りを見ながら

報告する 


なお彼もアシストで 転生した 日本人ある

前世は漫画家のアシスタント・・今も漫画家のアシスタント兼コミケの売り子



服装は欧州のシャーロック・ホームズとか 少し後のポアロとかの時代ぽい

アリサはフリフリのゴシック風の短めドレスである 汚れ防止のエプロンも着用


「しょうがないわね」そう言いながら 手を休める事もなく

倒れた二人のアシスタントを放置プレイしながら 原稿をせっせっと描く


「復活したら こき使わなきゃ くくく」悪鬼のような笑顔を浮かべる


「・・ふふ 生贄 いえ

アシストとしてくれそうなのが来たわ  それもお食事の差し入れ迄」


「へ・・ああ、もしかして」


「そう・・くすくすっ」

不気味な笑顔の二人



部屋のすぐ外 


違う種族のようだが 血の繋がるアリサの兄アシャル


エルフのような長い耳 長い黒髪 綺麗系

瞳の色は ルビーのような赤い色と金色

足が悪いので 車椅子


更には 女官として傍付きの一人

銀髪美少女 白い猫耳に尻尾のルウである


「・・気が付かれない様に 差し入れの食べ物を置いたら 逃げるぞ ルウ

前回のようにアシスタントしてこき使われたら・・・」


「ですわね 前回の二の舞だけは」

青くなり 震えるルウ 

長い黒のメイド服がとてもストックでお似合い


「うふっふ 来たの ありがとう・・くすくすっ」


部屋の中からの声


「ひっ」ルウ 「う・・」アシャル


ドアが開く 

髪は乱れ 恐ろしい形相の元・黒猫耳の美少女が

『にまああっ』不気味笑顔で立ってる


「あ・・アリサ」怯える兄

妹を溺愛しているが 締め切り前の妹は怖いらしい


「あ‥アリサさま」恐怖で涙を浮かべてるルウ


「ようこそ 私のタコ部屋へ・・くくくっ

兄ちゃんの手料理 美味しいから 嬉しいわああ


でも 今は原稿のお手伝いもして欲しいにゃあああ くすくすっ」


ヘビに睨まれた小動物のように 凍り付く二人


そこに・・

「私のアリサ お仕事はどうかな?」

にこやかな微笑みのアシャルのような エルフぽい長い耳の少年

黒髪で美形 瞳は綺麗な赤


実はアリサの大事な人


「あ・・アジェンダさま 逃げてください」

ハッとして声をかける兄アシャル 目に微かな涙

自分の二の舞だけは・・と必死の声である


「はい?」きょとんするアジェンダ


「あ・・あっら」

慌てて後ろを向き 数秒でポケットの櫛で髪を整え

メイクをして 目の下のクマを隠す


しゃららんんん まるで美少女変身アニメのごとく 

見事な化けっぷりであった


あ・・何故か 花びらが背景に舞ってたり


「うふ~~~アジェンダさま」女は化ける 見事に美少女となり

アジェンダと何気に抱き着いて 軽いキスなどしてラブラブなモード


「同人誌の締め切りは大丈夫かな 私のアリサ」アジェンダ


「あ、それは・・2日後に締め切りです」戸惑いうつむくアリサ


「わかった また改めよう では」微笑みながらアジェンダは去ってゆく


ハンカチを振りながら見送るアリサ


そして・・くるりんとアシャルやルウの方に振り返る


「じゃあ アシストよろしくね うふ~~~

アシスト二人ほど倒れてるけど 適当にどかしてくれたらいいから」


恐ろし気な不気味な笑顔である


「う・・・」「・・・・」


「あ‥俺のアリサ」 


「なに兄ちゃん? うふふ」

使えるものは何でも使うアリサである


「きゃああ 許してくださいアリサさまあああ」ルウの悲鳴


嫌がり逃げ出す寸前の二人を捕まえて 信じられない怪力のアリサに

車椅子のアシャルとルウは タコ部屋に引きずり込まれる


一旦 ドアが閉まる


が・・再び ドアが開き アシスタントのタクスが

置き忘れた 差し入れの食べ物の大きなバスケットを持つ


「うわああ シチューにサンドイッチ キッシュ シエパードパイ

林檎のパイ スコーンもある 

あ、オニギリやタコさんウインナー サラダに飲み物各種だあ」

嬉しそうに抱えて 部屋に戻る


パタリ ドアが閉まる

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