バンビの(怒)えらいこっちゃい!

バンビ

第1話 老人力

つい最近、福島駅から少し離れた高架下で、女性のお年寄りが、『もし、すみませんが、加古川まで帰る駄賃がのうて、二千円ほど頂けませんかのう?』そこ貸してじゃなくて、頂戴なんだ(笑)めっちゃ老人力使うやん(笑)『おばあちゃん、福島になんか用事でもあったの?お連れさんは?』と優しく尋ねると、『………』そこスルーかよ(笑)僕は交番のある方を指さして、案内しようとした。『あっちに交番があって、おまわりさんおるから、おばあちゃんの相談にのってくれるから…』刹那、くるっと背を向けて踵を返して歩き出すおばあちゃん(笑)物凄く綺麗なUターンだった(笑)てか交番スルーかよと思っていたら、近くを歩いていたモデル級の美人二人に絡んでいた。『もし、すみませんが、加古川まで…』動揺する美女二人組、これは助けねば(笑)『ちょっと、ばあちゃん、あっこに交番あるて言うたやんか』と、おばあちゃんの腕をとると、『いたいーいたいーいたいー、離してー』たいして強く掴んでもないのに騒ぎ出した。『いたいーいたいーいたいー、はーなーしーてー』萎縮する美女二人組(笑)『あの、離してあげてください』え?もしかして二人組にはダメな出来損ないの孫にでも見えたのだろうか?めちゃくちゃショックなんですけど(笑)つかショックすぎて腕を握ったまま硬直してるんですけど(笑)『いたいーいたいーはーなーせ!はーなーせ!』はーなーせ!のリズム感が良すぎて、合いの手を入れそうになる自分(笑)はーなーせ(あそれ!)はーなーせ(あ、よいしょ)はーなーせ(いやさっさ)はーなーせ(それからどうした)妄想で合いの手いれてる場合じゃない、二人の美女からの冷たい視線が実に痛い(笑)『あの、本当に、痛がっているので…』いやいやガチに赤の他人だから、孫とかじゃないから(笑)孫が祖母に折檻疑惑の目で見るの止めて(笑)けどついに最後は自分を見失い、思わず逃げ出してしまった。1ミリも悪くないのに(笑)後ろからの加古川ババアの『まてー』という声が心底ムカついた一日でありました(怒)

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