第2話 回復ポーション
気になる女の子は”ロココ”っていう名前らしい。
アイラ姉が知らないうちに聞き出していた。
「そっか~。」
可愛い名前だなぁ。
歳も僕と同じ15歳みたいだし・・。
ロココさんは普段は学校?へ通っているらしい。
学校って王都になる魔法学校かな。
ほとんど貴族しか行かないらしい。
ロココさんって貴族なのかな?
平民の俺からしたら高嶺の花なのかな・・。
俺は金色の髪で青い瞳。
白い肌・・ここら辺では一般的だ。
****
俺は副業で他の仕事もしている。
趣味みたいなものかな。
夜になるとこっそり開店する。
コンコン
雑貨店の裏口からドアがノックされた。
「こんばんは、今日は置いてますか?」
目深にフードを被った男が訪ねてきた。
俺のスキルで回復ポーションを作っているのだ。
値段は少し高め設定。
大々的に宣伝はしてなくて、紹介制で販売している。
値段は金貨一枚。
お金を受けとり商品を渡す。
「いつも有り難うございます。またよろしくお願いします。」
他の店で売っている回復ポーションを試してみたが、段違いだった。
瞬時に傷が治る。
少しの傷でしか試したことないけど、大けがでも大丈夫なような気がする。
昼間は親の経営する雑貨屋で働いて、夜はポーション売っている。
この能力に気が付いたのは最近の事。
「えらく古い本だなぁ。」
倉庫を片付けていたら古びた本が出てきた。
持ち帰って読んでみたら・・何だか面白い!
魔法ってこんな感じなんだ。
噂で聞くのは、杖で火を出したり、水を出したりするもの。
イメージで形になるって書いてある。
「早く寝なさいよ~。」
隣からアイラ姉の声がする。
心配性なんだから。
「は~い。」
俺は軽く返事をして本を読破することに集中した。
****
コップに水を入れる。
コップのふちを手で包み、魔力を流すイメージ。
体から、何かが抜けた感覚があった。
「出来たのかな?」
コップの水が跳ねて、俺の指にかかった。
そういえば、切っちゃったんだっけ。
忘れてた。
「あれ?」
傷が無い。
さっきまであったはずなのに。
「もしかして・・。」
俺は持っていたナイフで指先に傷をつけた。
そこに液体をかけると・・。
キラキラしながら指の怪我が無くなっていく。
回復ポーション出来ちゃったかも。
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