趣味のポーション作成スキルでお金を稼いでいたら、店を持つことになりました。

月城 夕実

第1話 青の雑貨店

「今日も暑いな~。」


オシャレな水玉模様が入ったタオルで首元を冷やす。

冷却作用があるタオルは夏の必需品だ。

布を冷やす物魔石?が織り込まれているらしい。


俺はオーシャン15歳だ。

親の仕事の手伝いをしている。

家は雑貨屋、店の名前は『青の雑貨店』

今使ってるタオルも商品として売っているものだ。

ネックレスや髪留めなど装飾品が主な商品で、女性のお客様が多い。


「相変わらず背が小さいね~。」

ニタニタして小馬鹿にしてくる隣の幼馴染。

人を馬鹿にして何が面白いんだか。

幼馴染のニルスは金髪碧眼の美男子だ。

嫌味さえなければいい男だと思うが。


「お姉さま方はいつもお美しい。」

目をキラキラさせて挨拶してくる。

軟派なんぱなやつは嫌いだ。


上の姉はアイラ18歳、髪は炎のような赤色で深紅の口紅が似合っている。


下の姉はミーシャ17歳、髪は落ち着いた茶色でナチュラルメイクだ。


「いつもお買い上げ有難うございます。」


営業スマイルで返すアイラ。

ミーシャは無視。

まあ、ニルス相手だからいいけど・・。



****



そろそろ開店の時間かな。


「いらっしゃいませ!」


休日ともなると沢山の人が訪れる。

最近人気のお店とかの雑誌に載ったらしい。

姉さまたちが言ってた。


「店のお手伝いじゃなくて、彼氏とかとショッピングしたいよね~。」


彼氏いるんかい。


「アイラこの前断ってたじゃん。」


「だって、好みじゃなかったから・・。」


もてもてだなぁおい!

一人突っ込みを入れながらサクサクと商品を並べていく。

姉たちも喋りながら、手は動いている。

手つきも慣れたもので、無意識に出来るものだ。

両親は如何してるって?

夫婦仲良く旅行へ行ってます。

夏休み~とか言ってたな。


カランカラン・・


「いらっしゃいませ!」


ふと目を向けると・・。

ショートカットの茶髪の女の子。

瞳は薄い灰色、肌は透けるような白。

今日は麦わら帽子をかぶっている。

何を見に来たのだろうか。


「あ、それ・・。」


俺を指さして・・正確には首に巻いてあるタオルをだが。


「冷感タオルですね。こちらになります。最近流行ってるんですよ。」


わぁ~

絵柄が色々あるので、結構迷うお客様も多い。

数分迷い、決めたようだ。


「店員さんと同じ絵柄の・・。」


確かにこれも人気の絵柄だけど・・同じのって・・。

無意識に顔がにんまりしてしまう。


つんつん!

ミーシャ姉さまから突かれる。


「ありがとうございます。すぐ包みますね。」


「すぐ使うからこのままでいい。ありがと。」

軽く会釈をして去っていくあの子。


「ほほ~。そういうことか~。」

アイラ姉がにやにやしている。


「青春ですな~。」

ミーシャ姉も呟く。


『声かければいいのに~。』


二人の声がハモった。

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