君にこの思いを告ぐことができるのだろうか?

@munehanannapan07782

第1話 君の傍にただ居たいだけなのに、そこに君は居ない。

君にこの思いを告ぐことはできるのだろうか?

ショートの黒髪が見ないうちに明るめの茶色に変わっても、眼鏡の奥の澄んだ瞳と

小悪魔のようにのぞき込む癖は私に向くものではないが健在である

そんなことはわからない。ただのエゴに違いないことは確かなことだ。

自分が運命だと感じて行動したとしても、相手あってのものだから、どうこう言った

としてもなるようにしかならないのだ。そんなふうなことは理解している。

何故あの時、未熟だった私が勇気をもって、君のことが好きなんだという言葉を口に

出していたならば、事がこんなになってなかったのだろう。

走り書きカーソル往ったり来たりDeleteしながら、文書終わり点滅しているように

結局、人生もWordのようなものである。

殴り書きをどんなでも受け止めてくれるし、都合が悪ければ消せばよいだけ。

人の生き方も人生の分岐も全世界の人口分あるんだよとはいうものの。

選択肢でうまく立ち回れる人はどれくらいいるだろうか?

星の数だけ人それぞれと慰めの言葉で言われても、煌めいて輝いてる主人公クラスと比べれば私の尊厳など無いに等しいんだ。きっとそうなのだろうと思う。


自分にこんなに自信を持てない理由はいろいろあるけれど、スカスカな人生に君が入って一緒に生きてくれればなんて思うことが贅沢なのだろう。彌嘉に「伊之ってさ、私にとってはすっごく必要なパズルのピースなんだけれど心のどこかに欠けががあって、するーっと抜けていくんだよね。私のこと大事にしてくれてるし、きちんと話も聞いて向き合ってくれているのだけれど、すべてを許してくれないじゃない?」そう普段飲まない缶ビールを少しだけグラスに注いで口に含み、その苦みを早くなくしたいがために速攻で飲み込みながら言っていた。「それで、私はあなたの横にずーっといて良いわけ?」なんて続けて目が笑っていないので気おされた感じで「うん居て欲しいな。」と返すと「嘘が下手。強引に体を、唇を重ねることもしない。もういい」そう飲み残したサッポロの黒ラベルと泡が其処に少し残り、放香を漂わせたまま出て行ってから、会社でも社交辞令の会話と社内業務以外口を聞いていない。共通の親友の隆は彌嘉のことがすきだから、私とも仲がいいので距離感を保ちながら「謝ったほうがいいじゃない?距離を置くのも一つだけれど、でも、いろいろ今まであったけれど、こんなに深刻なのは初めてなんじゃない?」そうかもしれない。彼女から告白されて付き合い始めてもう3年は立つ。幼いころは知らないにしても、大学の先輩であり、最初の会社の上司でもあるから、結構深いところまで事情を知っている。このまま何もなければ結婚するのだろうなんて思うところもあった。綺麗で頭も良く、理解力もかなりある。そんななかで違和感があったことは否めない。実家に遊びに連れて行ったときに久しぶりなのもあり、昔のアルバムや写真を見ながら、私が隠していた奥騨絵里さんの写真を見つけ。それに妹がにぃの小学校から好きだった人。そして高校受験を失敗してその思いを告白できなかった人。そういった。そう高校受験を失敗している。熱と下痢で真っ白になり。行きたくもない私立に進んだ。そこのレベルは低く。もう一つの選択肢の男子校を選べばよかったのに投げやりになっていたのがいけなかった。そこに行けば受験に苦労することもなかったに違いない。

それでも一応なんとか地方国立大の工学部に進み、上場企業でみんなが知っているシステム会社に入る。その当時担当していた仕事の先輩であり上司が彼女である。私が院に進むか否か悩んでいた時院に居た先輩で3つ上であり。そして会社を辞め海外の大学の院を修了したのち、畑違いの金融の世界にいる。


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