ほのみま うつみま ふつふつあしよ

ものがな

プロローグ

   ミ☆


 きらり落ち行く流れ星!

 きらめく尻尾に流るる光。夜空を駆けるその瞬きを、見上げて人は思います。

 大きな光。きれいな流星。ちょっぴり不気味で、とっても不思議。

 それは多くの地上の人が、誰からともなく祈ります。

 神秘的なその輝きに、神様みたいな光の筋に、思い思いに願います。

 とても私的で、とても大事な、数え切れない唯一無二の願いごと。


 臆病者の男の子は、図鑑を抱きしめ祈ります。

 どうかどうか、おじさんみたいな学者さんになれますように。


 がんこで意地っ張りな女の子は、大好きなおかあさんと祈ります。

 どうかどうか、これからも正しいあたしでいられますように。


 ひねくれ屋さんな男の子は、空色りぼんを指に絡ませ祈ります。

 どうかどうか、山みたいな大金が俺のものになりますように。


 どうか、どうか。どうか、どうか。


 もちろんコノも祈ります。

 小鳥の身体に土のお布団ざっざと被せ、スコップ握って祈ります。

 どうかどうか、ミマミマともう一度会えますように。

 どうかどうか、お空を自由に飛べますように。

 どうかどうか、おとうさんとおかあさんが仲直りしますように。


 欲張りコノはみっつも祈って、だけど足りないことに気づきます。

 一番大事な願いごと。なにより忘れちゃいけないそのこと。

 特別なおまじないを唱えてコノは、お空の光に祈ります。


 ほのみま うつみま ふつふつあしよ

 ほのみま うつみま ふつふつあしよ


 どうかどうか、お星さま――やさしい世界に、なりますように!

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