青信号になるまで待ちきれない女

@yuri211

第1話

 昼休み、昼食をとるために洋食屋に行く途中に高架があって、高架の北側に信号がある、めったに車が通らないので、静かな道路を前にひたすら信号が青に変わるのを待つのが常になっている、陽太は同僚の関と並んで信号をまっていると、横断歩道の向こう側に、同じ会社の柳さんという女性が信号待ちをしていた、すでに昼食をすませたのか、それとも食べ物を買って事務所に戻るのだろうかと、なんとなく前の方向の柳さんをみるともなく見ていた。

 一車線しかない道路なのに、やけに待ち時間がながい。かれこれ二年もこの信号を利用していると、体感で信号が青に変わるタイミングがわかるようになってきていた。もうすぐ変わるだろうと思った時に、急に前方の柳さんが小走りで渡ってきた。陽太は、これまで待っていたのに、なぜ今わたるのかと、驚いた。渡るなら、もっと早く渡ればいいのに、と思う自分を後ろめたく思うほど、どうして、そんなに待ってから渡るのだ、と、彼女にわけのわからない不満を感じてしまった。

隣に立っている関に、

「どうして、もう変わりそうになってからわたるのかな」

と、いうと関も、柳さんが待ってから渡ったのに気が付いていた様子で。

「うん、なんか、赤の内にわたるなら、どうして待っていたんだろう。トイレにでも急いでいたのかな」とのんびりと答えた。


会社に戻ると、顧客からの連絡が入っていたり、配達の準備で


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