第31話 13 第二ターニング・ポイント
13 第二ターニング・ポイント(85枚・80%)
80%。
1場面ビートです。1場面または1章を使って、主人公の悟りと悟った帰結の決
断を見せます(1ページどころか、1行で見事に主人公の悟りと決断を見せた例もたくさんあります)。
このビートで素早くそして確実に主人公を最後の第三幕「統合命題」の世界へ引っ張り込んでください。
〝第二ターニング・ポイント〟は、メインプロット(Aストーリー)とサブプロット(Bストーリー)が出会う地点で、それによって主人公はついに解決策を見出します。
あとは実行するのみです。
メインプロットとサブプロットが融合するときの古典的なパターンに、主人公が好きな「女の子」から解決のためのヒントをもらうというものがあります。
このヒントによって、主人公はふたつの問題──悪い奴らをやっつけ、しかも大好きな女の子のハートも射止める──を解決する方法を考えます。
そしてついに、解決策がひらめくのです。
統合命題「ジンテーゼ」の世界はもうすぐそこです。
〝第二ターニング・ポイント〟は「突破」のビートで、ほぼ間違いなく主人公が悟る瞬間が訪れます(〝心の暗闇〟ですでに悟っている場合もあります。タイミングは作品によります)。
〝第一ターニング・ポイント〟のビートでは直すつもりで壊していた主人公ですが、〝第二ターニング・ポイント〟でついに「正しい方法で修復する」やり方を考えつきます。
「変わらなければならないのは他のみんなではなくて、私だったのだ」
ここに至るまでの主人公は、持てる力のすべてを費やして、自分の人生に影を落としている本当の問題を避けてきました。
語られたテーマは無視。本当に必要なものは追わず、欲しい物だけ求める。直すつもりで壊す。それも全部他人のせいにする。
そろそろ悪あがきはやめて、重くて冷たい真実を見つめるときです。
「最初から自分の問題だったとうことが、今わかった。だから直せる」
もう近道もズルもなし。肝心要の問題から目を背けるのもなしです。
〝すべてを失って〟でどん底に落ち、〝心の暗闇〟で闇夜を彷徨った主人公ですから、今こそなにをするべきかわかってるのです。
〝サブプロット〟(ラブストーリー)のBストーリーのキャラクターからのレッスンやテーマを伝える者たちのセリフ、〝迫り来る悪い奴ら〟に勝つ方法をメインプロットで主人公が必死で考えたおかげだです。
やっと答えが見つかりました。
ひっくり返した世界で散々苦闘した甲斐あって、主人公は、第二幕で身から出た錆で発生した大量の諸問題を修復するためにするべきことを、そしてなにより「自分自身」を変えるためにするべきことを理解します。
▼明確な幕開きか?
▼幕開きを通じて主人公はストーリーを動かすか?
▼主人公に新しい目標はあるか?
「小説の書き方」コラム
820.構成篇:ハリウッド「三幕法」(セクション13)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889417588/episodes/1177354054891920401
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【参考図書・引用図書】
▼ブレイク・スナイダー氏『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』菊池淳子訳・フィルムアート社(税別2200円)
▼ブレイク・スナイダー氏『10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術 『SAVE THE CATの法則』を使いたおす!』廣木明子訳・フィルムアート社(税別2200円)
▼ブレイク・スナイダー氏『SAVE THE CATの逆襲 書くことをあきらめないための脚本術』廣木明子訳・フィルムアート社(税別2000円)
▼ジェシカ・ブロディ氏『SAVE THE CATの法則で売れる小説を書く』島内哲朗訳・フィルムアート社(税別2500円)
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