第9話 5 人生の節目

5 人生の節目


サブジャンル

 中年の岐路:『テン』『ロード・オブ・ウォー』

 別離の岐路:『クレイマー、クレイマー』『結婚しない女』『ローズ家の戦争』

 死の岐路:『普通の人々』『マイ・ライフ』『ドクター』『ポネット』『偶然の旅行者』

 依存症の岐路:『28 DAYS』『失われた週末』『酒とバラの日々』『男が女を愛する時』『クリーン』

 思春期の岐路:『ナポレオン・ダイナマイト』『アメリカン・グラフィティ』『卒業白書』『すてきな片想い』




【人生の問題】

 生きているときに直面せざるをえない「人生の問題」や挑戦(思春期、青春、中年の危機、老い、家族の死、失恋、離婚、別離、死別、アルコール依存、薬物依存、その他)。

 傷心のストーリーは、我々みんなが共感できる普遍的な岐路だ。


 不器用だった思春期の頃。大好きだった女の子は、実は自分の存在にすら気づいていなかった。四十歳の誕生日にいきなり離婚してほしいと切り出された。愛する者の死を乗り越える。


 誰だって、人生の節目に何かしらつらい経験をしているものだ。

 主人公が直面するつらく苦しい経験は、人生という名の力によることが多い。




【間違った方法】

 「人生の問題」に主人公は最初直面できません。

 痛みや苦しみから目をそらす努力をするなど、「間違った方法」でやっかいな問題を解決しようとする。必ず何らかの回避行動をとります。

 この苦しみに浸るさまが少し自己中心的に思えるが、理由がわかって問題を強調したほうが観客は主人公を応援したくなるのです。

 進むのが苦しくなったら、進み続けろ。

 こんな簡単な答えが主人公にはなかなか見えてこないのだ。




【受容】

 つらいところをくぐりぬけて初めて、主人公は解決策を見いだします。

 主人公がずっと抵抗してきた受け入れがたい過酷な痛みを覚える真実、本当の自分を「受容」するかにかかっています。

 それこそが真の解決。変わらなくてはいけないのは周囲の世界や人生ではなく自分だと、主人公が悟ることです。

 それは主人公は最初から密かにわかっていたことでもあります。

 主人公は段階を踏みながら、コントロールできない不可解な力を受け入れていくのです。

 そして最後に笑えるようになったときに、勝利は訪れます。




「小説の書き方」コラム

824.構成篇:ジャンル1:青春・日常

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889417588/episodes/1177354054891931018


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【参考図書・引用図書】

▼ブレイク・スナイダー氏『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』菊池淳子訳・フィルムアート社(税別2200円)

▼ブレイク・スナイダー氏『10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術 『SAVE THE CATの法則』を使いたおす!』廣木明子訳・フィルムアート社(税別2200円)

▼ブレイク・スナイダー氏『SAVE THE CATの逆襲 書くことをあきらめないための脚本術』廣木明子訳・フィルムアート社(税別2000円)

▼ジェシカ・ブロディ氏『SAVE THE CATの法則で売れる小説を書く』島内哲朗訳・フィルムアート社(税別2500円)

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