はみ出し転生者、魔道具頼りでレベルアップしてエルフ幼女の面倒をみる

たかみつ

第1話 父と娘の日常 


僕は神谷健(かみやたける)、転生者だ。生まれ変わりではないから転移者かな?

とにかくというものだ。


現在は、剣と魔法と魔物の世界で冒険者をやっている。スキルは鑑定!がメイン。異世界人なんだけど、スキルもスキルもなかった・・・ただ、魔法鞄だけは最初から身に着いていた。これは、容量無限で、時間経過空間と時間停止空間の両方が備わった優れモノだった。


冒険者ランクは、Cランク、ほぼ最初からCランクだった・・・

一応、魔法適性はほとんど全部持っているようだが、大した訓練もしていないので、普段良く使うのは、光と回復かな?

まあ、異世界人の特権?で魔力量だけは普通の人の10倍程度はある。僕だけかもしれないが・・・。なので、鑑定スキルの偽装!隠蔽!で他人には知られないようにしてある。


現在年齢は26歳。22歳で転移させられてこの世界に来てから4年経過した。

7歳になる娘が一人いる・・・・




「おとうさ~ん、そっち行ったよ、ゴブリンのおっきいの!」

「わかった、まあ任せろ! 

「リリ、そっちは片付いたのか?」

「うん、簡単!」

「なら、何かお宝でも探していてくれ!」

「はい、は~い・・・」


さて、逃げ出したゴブリン・キングと対峙するか!


まあ何というか、僕、子連れ冒険者は、ギルドの依頼でもなんでもないんだけど、たまたま見つけたゴブリンの村を殲滅中なんだよな。

我が娘のリリに村の中で暴れてもらったら、何と! キングや幹部たちが裏口から逃げ出してきたんだ。

もちろん、僕が待ち構えているところにな・・・


そら、もう僕の目の前だよ。

重圧! 

ゴブリン・キングが跪いて、ゴブリン・リーダー2頭が地べたに俯せで沈んだ。

せっかくだし・・・キングにかかってる重圧を解放してやった。

・・と、大剣を振り回して僕に向かってきたよ・・・単純!

アスカランを取り出して、少し遊んでやろう!


光の斬撃を飛ばしてけん制する。大事なアスカランには触れさせないよ!

腕や足に軽く光刃をあててやる。お? 耐えているのか?

まだまだだけどな・・・ブーメランとなった光刃が奴の後ろから回り込んでいって奴の足首を切り裂いた。

さすがに、もう立ってられないだろ。顔中に脂汗?をだらだら流しながら、両ひざを地面につけたままで大剣をぐるぐる振り回しているけど、もう、それ何の威力も無いよね?


「なんか・・・悪い!・・・今日は災難だったな!」

アスカランを一閃して、光射!で、奴の眉間に止めを刺してやった・・・終わりだ!


あれ? リーダー2頭は? 駄目だ、こいつら、口から、泡と血を噴き出している。重圧だけで、内臓でも破裂したのか?

まあ、念のために・・・光射!で止めをさしておいた。


「お父さん、やったね!」

「ああ、リリもよくやった! お前も強くなったなぁ~」

「えへへへ・・・だって、お父さんの娘だよ、リリは!」


*ゴブリン村殲滅


リリがお宝を見つけられなくて、少し複雑な顔をしているけど、まあ、無いのかもしれないけど、一応、探してみよう!

あったとしても、キングたちがそんなお宝を放っぽりだしてまで逃げ出すくらいだからな、あまり期待はしてないけど・・・


あるならキングたちがいた小屋だろ?

「うん、臭い! いつもそうだけど・・・」

クリーン、清浄!をかけてしばし待つ。


中に入って、マッピング!で金属、宝石などの気配を探る・・・

なんだ! あるじゃないか。

部屋の隅っこのほうに、ミカン箱くらいの大きさの汚れた木製の箱が置いてあって、その上に、血で汚れた布がかけられている。一応?隠したつもりなんだろうな。

布を良く見れば、これは、貴族の旗だよ、どこの貴族の紋章かは知らないけど・・・

まあ、見つけたのも、確保したのも僕たちだからね、良い物ならいただきますよ!


念のために、鑑定! でも、呪いや罠はないようだ、ただのきたない箱だ。

「リリ、あったぞ、この箱。開けても良いけど?」

「うん、リリが開ける!」

「おとうさん、コインだよ? ぴかぴかの奴が一杯!」

ああ、何か適当にこの箱に詰め込んだような感じだけど、確かに金貨・銀貨がザクザク・・・それに、無造作に、宝石の玉やナイフまで入っている。まあ、そりゃそうだよな・・・ゴブリンたちには使うこともできないものばかりだし。ヒカリ物が気に入った?ってところだろ?


鑑定! ゴブリンのお宝・・・

*エリーナ金貨3000枚、銀貨2000枚

*3cm宝石玉:全部で12個:ダイヤ、ルビー、サファイア:各4個

*剣、片手剣、ナイフ


ナイフは、これ貴族紋が入っている。それが3本もある。3つの貴族様の馬車が潰された?ってところだろ・・・

まあ、そんな貴族紋入りのナイフは要らないので、取り出して放置。

箱の奥に、剣や槍がそれこそ横積みになっている。

錆びた鉄剣や鋼鉄剣に混ざって、ミスリルの片手剣やナイフもある。

大剣は、ここには無い。恐らく奴らが手にしていたものが人間から得たものだろうな。大きい剣が好みなんだろうか・・・重さ的にちょうどよかったのかも・・・


剣や、箱の中身を確認しながら僕の鞄に収納していたのだが、箱の下のほうに、赤い綺麗な鞄があった。金貨などの重みでつぶれてはいるが。

手に取って、ポンポンと、埃を払ってやったら・・・あれ? つぶれていたのが元通りになって、汚れもなくなった。まさか!・・・・鑑定!


*魔法鞄

・容量・大・時間停止

・不壊、清浄、攻撃無効、

・エリーナ金貨500枚、銀貨300枚

・宝石指輪:ダイヤ、ルビー、サファイイア、エメラルド


まあ、赤色と、小型だから、前の使用者は女性か? 犠牲者の遺品?

視線を感じて、リリを見れば、鞄をじっと見ている。

「おとうさん、それは?」

「ああ、これ? どうやら魔法鞄、良い物だな。なに?使うか?」

「うん!!!」


まあ、そうだよな・・・こいつ、赤い物は欲しがるな・・・

「リリ、まず、これを手にもって、お前の魔力を流すんだ。

 この鞄はリリが使います、なんて思いながらな・・・」

「うん!!」


どうやら、所有者変更されて、現所有者:ル・リリ となった。


それで、この鞄は優秀だからいつも身に付けておくと良いと伝えておいた。攻撃無効の効果が付いているからな。

まあ、今のリリにはそんな魔法効果は無駄なものかもしれないが・・・鞄は使える。


「あれ?おとうさん、何かいろいろ入っているよ?」

「ああ、おそらく前の持ち主の遺品だろうな・・」

もう、所有者の登録も消えてしまうほど古いものだから・・・遺品で良いだろ?

「これは、もらっても良いの?」

「良いんじゃないか? リリがそのまま使えば良い、僕からのプレゼントだ! (誰かの遺品だけどね・・・)」


*リリ 赤い魔法鞄を得る




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