呪われた不幸袋
O.K
第1話:不幸袋の恐怖
主人公は興味本位で訪れたリサイクルショップで、不幸袋と呼ばれる謎めいた袋を見つけました。店員には袋の中身を教えてもらえないと告げられ、どんなものが入っているのか気になりながらも、思わず購入してしまいました。
家に戻り、興奮と不安を胸に抱えながら袋を開けると、中から古びたDVDが現れました。そのDVDには何のタイトルも表示されておらず、ただ黒いスリップケースに入っているだけでした。主人公は少し期待を裏切られた気持ちもありつつ、早速再生してみることに決めました。
テレビにDVDプレーヤーを繋ぎ、リモコンを握る手が微かに震えていました。再生ボタンを押すと、画面には何も映らず、暗い静寂が部屋を包み込みます。しかし、主人公は諦めずに待ち続けました。
やがて、画面がゆっくりと明るくなり、不気味な音楽と共に不可解な映像が始まりました。その映像は、人間のような姿をした影が闇の中に佇み、不気味な動きをするものでした。音楽とともに、影は奇妙なダンスを踊り出し、次第に幻想的な風景が映し出されました。主人公は戸惑いながらも、どうしても目を離せませんでした。
しばらく経つと、映像は一変しました。今度は子供の笑い声が響き渡り、遊ぶ子供たちの映像が流れ始めました。しかし、なぜかその映像には何かが違っていました。子供たちの表情に、異様な笑みが浮かび上がっているのです。周囲の風景も不気味なものに変わっていきます。
主人公は息を呑み、不安と恐怖が心を支配していましたが、なぜか再生を止めることができませんでした。映像が次第に加速し、子供たちの笑い声が高まっていく中、主人公は自分がこの映像に囚われてしまったような感覚に襲われました。
やがて、映像が急に止まり、再び暗闇の中に戻りました。主人公は一瞬、ホッとしたのですが、その安堵も束の間でした。画面には突然、主人公自身の姿が映し出されたのです。驚きと恐怖に顔を歪めながら、主人公は自分の動きとまったく同期した映像を見つめていました。
そして、映像の中の自分が何かを囁くように口を動かし、唇の動きに合わせて部屋の中で言葉が聞こえてきました。「あなたの魂も、ここに捕らわれる…」という言葉が、主人公の耳に届いたのです。
恐怖に打ち震える主人公は、再生ボタンを必死に探しましたが、どこにも見当たりませんでした。映像の中の自分も、手を伸ばして助けを求めるように主人公を見つめています。
すると、画面に異様な歪みが生じ、主人公は自分の部屋ではない場所に迷い込んだような錯覚に襲われました。そして、突如として画面が真っ暗になり、主人公は自分が消えてしまったような感覚を覚えました。
次の瞬間、再生ボタンを押していたリモコンだけが部屋に残り、不幸袋もDVDも何もかもが消え去っていました。主人公の姿は二度と見つからず、周囲にはただの空しい部屋だけが残されていたのです。
それからというもの、そのリサイクルショップでは不幸袋はもちろん、DVDも何も売られることはありませんでした。主人公の姿も知らぬ間に消えてしまったという噂が立ち、人々はその場所を忌み嫌うようになりました。しかし、そのリサイクルショップは今もなお、営業を続けていると言われています…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます