デブとガリ

@yuzu_dora

デブとガリ。

学校

ゾロゾロと学生達が教室に入る。

谷口と山田が机でダラけている。

その横の列で田谷もダラけている。

物凄い勢いで入ってくる保野。


保野

「おい、デブちん!」

田谷

「何だよぉ? 朝っぱらから。」

保野

「……昨日落っこちたって本当?」

田谷

「そーなんだよ、落ちちゃった。」

保野

「落ちちゃった。じゃねーよ!」

田谷

「ほら、でも何ともないから。」


田谷、あっけらかんと両手を広げる。


保野

「ニュースになってたんだぞ!」

田谷

「俺の他にも居たみたいだなぁ。」

保野

「……。」

田谷

「マジ、びっくりだよな。」

保野

「……そんなんで終わらせるなやぁ。」

田谷

「仕方ねーべ。あんな状態だったんだから。」


田谷と保野のやり取りを聞いていた山田、会話に入ってくる。


山田

「田谷、あのホームに居たの?」

田谷

「居たー。」

山田

「立ってらんないもん?」

田谷

「……無理だったなぁ。」


田谷、しみじみと振り返る。

山田、保野に睨まれ退散する。

谷口、山田を小突く。


保野

「何であんな状態の所に居たんだよ!」

田谷

「だってさー。ガリガリ君の誕生日、祝いたかったから。」

保野

「……お前の命の方が大事だ。」


保野、泣きだす。

山田と谷口、驚いて二人に注目する。


田谷

「俺、無傷だぜ?」

保野

「お前、ただでさえデブちんなのに。」

田谷

「ガリガリ君だって吹き飛ばされたかも。」

保野

「持ち上がんないだろ!」

田谷

「持ち上がったから、ここに居るんだけど?」


田谷、笑って保野の背中を摩る。


山田

「なぁ、お前らって何でそのあだ名なの?」

谷口

「山田っ!」

田谷

「小学生の時に決めたんだよ。」

谷口

「……周り、揉めなかったの?」

保野

「……揉めた。」

山田

「貫くのスゲーな。」

田谷

「まぁ、呼びやすいからね。」

保野

「デブちん、このあだ名のお陰で可愛い彼女出来たんだぜ。」

谷口

「どゆこと?」

田谷

「いーよ、その話は。長くなる。」


保野、すっかり泣き止んで、田谷を茶化す。


山田

「長くなるならイイや。」

保野

「お前、羨ましくなってる?」


保野、山田を茶化す。

山田、保野に応じて戯れ合う。

谷口、その隙に田谷の彼女の写真を見せてもらう。


谷口

「うわ!マジで可愛いっ!」

山田

「え!?見せろ!」

田谷

「やだ。」

山田

「見ーせぇーろー。」


山田、田谷のスマホをもぎ取ろうとするが、あしらわれる。

谷口、大笑い。

保野はニヤついている。


山田

「ってか、抜け駆けすんなや!」


山田、谷口の脇腹をくすぐる。

戯れ合う4人。

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