異能の少年 ~ダンジョン学園で無双する~

きよすいようはねた

第1話

【国立徳川学園】

戦国時代に生きた名武将、徳川家康が一武将から征夷大将軍に成り上がったことから、名前を頂戴した国立の学園だ。

この学園にはいろいろな噂がある。


・この学園を無事に卒業できたものはエリート街道を歩むものである。

・この学園を無事部卒業した者は超人として世を統べることができる。

・この学園は一般には存在しない国の研究機関である。


などなどその噂はどこが出所になっているのかが分からない代物である。


そもそも学校というのは一つの例外もなく文部科学省に届け出が成される物であり、そこに登録されていない学校は、正式に学校という物を名乗ることは許されない。

国立徳川学園などという現代では遊び名としか思えないような名前でありながら、国立の学園などというものは存在していない。


故に誰が言い出したのか分からない噂話として世間に広がっていた。


しかしその学園は存在する。

日本の領海内にある、太平洋側には民間船はもちろんのことながら、国家機関に属する殆どの船とて接近が禁止されている秘密の海域が存在する。

現代の技術だけでは到底実現不可能なレベルの人避けが成されている海域だ。

それは衛星から見ようした際に特殊な電波を放出しながら見なければ、ただの海にしか見えない。

船で接近しようとしても現代の技術では無い力が働いており、人は無意識にそのエリアに近づくのを避けるようになっている。


そんな超常の力が働いた海域の中に東京23区の5区分くらいの広大な面積を誇る島が存在していた。

そしてそんな島の中にとある学園は存在していた。

【国立徳川学園】

登録上は高等学園としての登録となっているが、卒業時には大学卒業の認定を得られる反面、なんと7年もの在学期間となる高大一貫校としての在り方の学校だ。

本来それほどの期間を在学するとなると実家に帰省したりする生徒などにより、その情報が詳らかにされるはずであるにもかかわらず、その学園の詳しい情報や、所属する生徒たちに関する情報は一切外に出ることは無かった。


そういう意味合いでも摩訶不思議な『力』が働いている学園であった。


しかし同時に『火のないところに煙は立たぬ』という言葉があるように、不思議な力も含めてありとあらゆる情報統制を行っても、知っている人は知っている。

そんな学園であり、ある意味中学卒業時に未来が閉ざされた生徒たちには極秘裏にこの学園が紹介されていた。


なぜ極秘なのか。

それはこの学園には生死にかかわる危険な秘密が存在していた。

平和主義を突き詰めていった結果、子供に対して危険な行為を強要はもちろんのことながら推奨すらも批判の対象となる現代において、生死にかかわるほどの危険がある学園など表立って公表するわけにはいかなかった。


しかし国としてもその学園に利用価値があり、そこにマンパワーを注ぎ込みたいと思っていても、情報を隠匿するのはたやすいことではない。

故に学生の力を使うことにしたのだ。

発信者が学生というのであれば、信用度としては既に社会人として世の中の信頼を一定数値まで稼いでいる大人と比べて、

その値は低い。


いざとなれば子供の戯言であると切り捨てることができるようにしておいたのだ。

そしてその情報を発信した生徒は人知れず消えていく。


そんな学園に一人の異能の力を持った少年が入学しようとしていた。



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