死神への応援コメント
松本さん、こんばんは。
舞台観劇、堪能されたようでなによりです。
どんな分野でもやっぱり一流のプロってすごいんですね。
那智も機会があれば舞台を観てみたいと思います。
さて脚本『死神』について。
まず舞台装置や立ち位置などしっかりと練られた作品であることに感心いたしました。また火の取り扱い注意まで気を配られているところにも本気度が感じられて、思わず姿勢を正して読み進めましたよ。
この作品の中で那智が最も得心したのは命の軽重について誰がそう取り決めをしたのかという点でした。
たとえば虫の命。
自らの寿命を終えて死んでいくセミと殺され死んでいく油虫。
かたや儚いなどと美化されて、もう一方は忌み嫌われて死んでくれて清々するとまでいわれるのはどうしてなのだろう。
結局はフォルムや印象の違いなのか。
あるいはゴミ漁りをするせいで汚染のイメージがあるせいか。
きっとセミも人に危害を加える存在ならば駆除対象になっているのでしょうね。
そう考えると人間とは本当に身勝手な動物ですし、さらに突き詰めればどの動物にも平等にやってくる死(死神)こそ尊敬されるべき存在のように思えます。
そういう意味でもこれは死生観について深く考えさせられる作品であると感銘いたしました。
また一方でこれを演じる役者さんはこんなにも長い台詞を覚えなければならないなんてすごく大変だなあとまるで小学生のような感想も浮かびました。
このあたりが観劇経験ゼロの限界かもしれませんね。
とにかくこのような優れた台本を書いてしまうなんてやっぱり松本さんは凄いです。
それとちょっと関係ないのですが、那智が『月』企画用に書いている作品に奇しくも死神が登場していたのでタイトルを見て思わず「おおっ」と唸ってしまいましたよ(笑)
明日からまた仕事ですね。
お互い体調に気をつけてまた1週間乗り切りましょう!
作者からの返信
那智さん、お返事遅くなりすみません。
読んでくださってありがとうございます!
プロの舞台は演劇でもミュージカルでも圧巻ですよ。
那智さんも機会があればぜひ!ご一緒したいくらいです(笑)
脚本、舞台装置や立ち位置などのト書きにも注目してくださって嬉しいです。演出について脚本家が指定しすぎるのもあまり良くないので、その塩梅が難しかったです。
館によって火気厳禁なところもありますので、一応注意書きも入れました(笑)
命の軽重を誰が取り決めをしたのか。答えのない問題であり死生観も人それぞれですが、こんなにも深く考えていただき、頭の下がる思いです。
不快害虫の中でもハエだったら、汚いし不快だけど手で追い払うだけで、咄嗟に殺そうとまでは思わないですよね。(すぐハエたたきを持ってくる人もいるかもしれないけど)
そうやって無意識に命の選別をしているのは我々なのか、それとも人知の範疇を超えた死神によって定められているのか。
万物に平等な死こそ尊敬されるべきもの、那智さんの言葉に納得です。
某ジブリ映画のタイトルを貶めるわけではありませんが、人間がどう生きるかなんて実はとっても些細なことなのかもしれませんね。
改めて拙作を深く読み解いてくださり、本当にありがとうございます。
長台詞を覚えるのってすごいですよね!会話ならまだしも一人舞台なら特にです。
本作は実際喋ってみたら15分くらいでしたので、わりと短いほうかもしれません(笑)
なんと、那智さんの『月』企画、死神さんがご登場するのですね!
ホラーかミステリーの予感、いやダークファンタジーかも…楽しみすぎます。
また1週間が始まりましたね。岐阜は雨で蒸し暑さでしんどいし、松本の周りでは今さらコロナが流行っています。
那智さんも気をつけてくださいね。
死神への応援コメント
独身時代は主にミュージカルをたくさん観劇していました。ストレートプレイも結構見に行きました。
なので、舞台の感じとかが結構浮かんだのですが、客席待機の演者たちがいる、いないで緊迫感がまるで違うなあと思いました。
彼らが客席にいることで、観客は自分が境界線上もしくは演者側の世界に一歩足を踏み入れているように感じますね。
夏場に訪れる一つ一つの死を線香花火に象徴させたこと、まとまりがありとても綺麗な構成だなあと感じました。最後に首を転がすのは大胆で、実際に観ていたらギョッとしただろうと思います。
夏が黄泉の国というのは、なるほど、言われてみればしっくり来る感じ。蝉や蚊と同じように夏に私も殺されて、秋に蘇っているのかもしれないなあ……と、思わず想像してしまいます。
力のある長台詞、そして落語の有名作『死神』を内包してなお印象を薄めない線香花火の演出が素敵でした!
作者からの返信
こよみ様
お返事遅くなってすみません。
コメントありがとうございます!
こよみ様、舞台にも造詣が深いだなんて。もはや森羅万象を掌握していらっしゃるのではないでしょうか。ハイパーオーヴを感じます…!
舞台をイメージして読んでいただけて幸いです。
客席待機は、主演が線香花火しながら喋っているだけなので観客はつまらないかなと思って取り入れました。境界線を曖昧にするという重要な役割を彼らに与えてくださって、こよみ様は名演出家です!
夏の死と線香花火のリンクを綺麗と言っていただけて嬉しいです。落語の『死神』のように蝋燭でもいいかなとも思いましたが、夏っぽくしてみました。(実際に舞台上で花火ができるのかどうかはさておき。)
夏はお盆もありますし、あの世とこの世が繋がる時期なのかなと感じていました。
私達も夏にいちど死んでいて、また蘇りエネルギーが溢れているからこそ、秋にはスポーツをしたり食欲が止まらないのかもしれませんね。我がことのように想像して読んでいただけて本当に嬉しいです。
最後に首が転がるところは、ヒェーってなったまま終幕ってなんかいいなと思って演出しました(笑)
実は本作の線香花火にはもう一つの解釈がありまして、その解釈でいくと首落ち演出もけっこうホラーだと思います。
いつも拙作を読んでくださってありがとうございます!