狂宴!!鉄パイプ女!Reboot

ポロポロ五月雨

第一話 再誕者!!鉄パイプ女!


 あるところ、星さえ贅沢な地下深く。

  男は肌を強張らせ、重っ苦しいドアの前でゼェゼェ…! 緊張していた。


 『フー 行くぞー…!!』


 高鳴る胸音!どっきん…どっきん!

  荒ぶった心臓が、男のアンバランスに育った鳩胸を刺激する!

 

 『とっとと口を割らせりゃ 今日は早帰りだ』


 尋問なんて面倒くさいもんだが、任された以上は責務! 必ずや盗んだものをドコへ隠したのか、吐かせねばなるまい…!


 男は信頼する愛武器『金剣ジェネレイト・ボンバイエあー』を見やった。


 その外見たるや一切の謙虚さ無し。黄金の刃には、自身のミニマムな頭が反射している。ツバの真ん中にはきゅるりんとエメラルドが飾られ、豪華絢爛の範疇さえ超えた悪趣味の領域にまで踏み込んでいた。周り曰くして独裁帝が配下に命じて作らせた飾り剣。

  唯一欠点として、切れ味が悪くほぼ棒。人を切るには向かないことにある。(前に人を袈裟斬りした時、鎖骨で止まった)


 「しィッ 行くか…!」


 男は気合を入れて扉のノブに手を掛けた。


 『カマすぜ 初対面の印象が大事だからな』


 ガァンッッッ!!!っっとまるで鐘を鳴らすように開け放ち威嚇「オォイ!!」

……すると、そこには空気を座らせた椅子と、地面に散らばる切れたロープがあった。


 「…」


 戸惑い。数秒後もれる「あ」の声。

  気付いたか? だが気付きはいつだって、おそらく地獄の後にやって来る。


 男の後頭部に鈍く鉄分を含んだ衝動。生まれて初めての頭蓋皿が割れる感覚は、グッドバイ! 突然の襲撃はあまりに簡単に、人間たるものの立派に着飾った骨を粉砕した。


 「う…ッ」


 最後の力を振り絞って、男は死の方を見た。そこには濁ったアイアンの管が、男自信の血で赤くなってあった。


 「鉄…パイプ…」


 そこにいた女は 男をネギトロになるまで叩き潰した。そして我に返って殴打を止めたときにはすでに、地下の冷やついた空気は男の体内熱と混ざり合って、じんわりと体温38.7度の夜を思い出していた。

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