ミャンファの長い長い旅
深見萩緒
プロローグ
ミャンファは猫である。ある時はナアラであり、またある時はアッシュであった。ジリィである時もあったし、ロンである時もあった。特に名前を持たない時もあった。
猫にとって名前というものは、あってもなくてもよいものである。猫同士が挨拶をするときには、鼻と鼻とをチョンとくっつけ、ちょっとした一声を交わし合うだけで事足りた。それでもミャンファはミャンファという名前が気に入っているので、自分のことをミャンファだと思っている。
ミャンファは今、ひとりの人間の老婆のそばで、その弱弱しい、規則的な呼吸の音を聞いていた。そしてまどろみながら、長い長い旅のことを思い返していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます